日本人の血の中には、「匠の精神」という精神的財産が流れている。多くの製造メーカーはこの精神を、企業文化の精神の中核とし、芸術品と呼ぶにふさわしい数多くの「メイド・イン・ジャパン」を生み出した。新華網が伝えた。
そこで多くの学者は、中国の製造業がハイレベルなモデルチェンジをするためには「匠の精神」を持たなければならないと提唱している。しかし、このような精神を敬い認める一方で、弁証法に従えば、すべての物事には二面性があることもまた事実。過ぎたるは及ばざるが如しで、「匠の精神」に依存を深めれば、発展を制限することにもなりうる。
◆ケース1 リンナイ
ガス関連機器の世界的なリーディングカンパニーであるリンナイの工場で、従業員一人一人は持ち場につく前に、厳しい研修を受けなければならない。ボルトをしめるような単純な作業であっても、従業員は3万回の作業をゼロミスでこなさなければ合格にはならない。
リンナイ瀬戸工場では、詳細かつ複雑な検査が行われている。ある給湯器生産ラインには26の検査工程がある。部品は数時間ごとに抜取検査を行う。組立完了後、すべての給湯器のガス漏れ・漏電・漏水検査を行い、このすべての検査に合格しなければ出荷できない。
生産で完璧主義を追求することで、効率が低下し大きな浪費が生まれる。例えばリンナイの生産ラインでは内部部品とまったく関係のないカバーを取り替えただけでも新製品と見なされ、検査を受け直さなければならない。すべての検査を一からやり直すため、時間とコストが浪費される。
こうした状況では、製品に新機能を追加したくても、長すぎる検査で新製品の市場投入が遅れてしまう。
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