中国銀行業協会(中国銀監会)はこのほど、「中国銀行カード産業発展青書(2016)」を発表した。青書によると、2015年、中国の銀行が新たに発行した銀行カードの総数は6億4千万枚、発行されたカード総数は56億1千万枚に達し、国民1人あたり4枚以上のカードを所持している計算となる。取引総額は1420兆8千億元(1元は約15.3円)、前年比で86.9%増加した。揚子晩報が伝えた。
銀行カードの発行枚数が大幅に増加したほか、銀行カードの普及率は年間で48.0%に達し、2014年比0.3ポイント上昇、3年連続で増加傾向を呈した。また、潜在的な信用リスクは引き続き低レベルを維持、返済期限が半年以上過ぎた延滞総額は380億3千万元、2014年比6.3%増、増加幅は35.7ポイント低下した。年率損失率は1.42%、前年比0.43ポイント上昇した。
2015年、中国国内の銀行カード決済市場をめぐる環境はさらに改善され、インターネットやモバイル端末など、革新的な取引方法が急発展した。2015年、中国国内に新しく増加した銀行カードが使用可能な店舗数は466万6千店、累計1670万店に達し、年初比38.8%増加した。同年、国内のクレジットカード対応POS端末は688万6千台が新たに増加、累計2282万1千台、年初比43.2%増。2015年、国内で新たに増設されたATMは25万2千台、累計86万7千台、年初比41.0%増。
だが、見過ごしてはならないのは、中国銀行カード業の急成長に伴い、決済をめぐる安全問題がますます顕著化している点だ。第三者決済機関やアウトソーシング企業など新たな市場主体が銀行カード市場に一挙に参入するにつれて、既存の商業銀行を中心とした市場構造が打ち破られた。一部機関は、利益と市場シェアを追及するあまりに、革新という旗印のもと、勝手に法律に背き、金融秩序や市場の安全に深刻な危害をもたらしたため、市場の管理秩序維持に対する改善が急がれている。このほか、銀行カード業は、各種新技術や新モデルへの応用がかなり幅広いことから、産業発展のための革新の翼をもたらしているが、一方で、リスクコントロール分野での課題も浮上している。最近頻発している顧客の信用情報漏えいなどの事件は、全ての関連機関が重視すべき問題だ。中国銀監会の担当者は、「今後も、『安全』は、銀行業が健全に発展していく上での大前提である」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年8月5日
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