フィリピンの南中国海仲裁裁判のいわゆる裁定について国際社会は連日、次々に態度を表明している。各国政府、政界要人、国際組織高官は、南中国海問題における中国の立場と主張に次々に声援を送り、直接の当事国による交渉と協議を通じた争いの解決を呼びかけている。国連公式微博(ウェイボー)は「常設仲裁裁判所と国連には何の関係もない」と声明。国際司法裁判所は「国際司法裁判所は全く異なる別の機関であり、いわゆる南中国海仲裁裁判には終始加わっていない」と声明した。正義に声援を送り、不法行為との関係を否定することが際立った特徴だ。(人民日報「鐘声」国際論評)
この仲裁裁判はフィリピンの一連の違法行為と不法な訴えを基礎に始まったものであり、臨時の仲裁裁判所には合法性がなく、管轄権もない。およそこの仲裁裁判を理解している人なら分かっているように、フィリピンのアキノ政権による一方的な仲裁行為自体が南中国海をめぐる争いの二国間交渉による解決という中国との合意に違反し、「南中国海における関係国の行動宣言」における約束に背き、国連海洋法条約の紛争解決手続き適用に関する規定に背いている。臨時の仲裁裁判所はフィリピンの違法行為と不法な訴えを基礎に設けられ、本件に対して管轄権がないのに権限を拡大し、越権し、習慣法の管轄すべき歴史的権利、島・礁の領土上の位置づけ及び海洋境界画定に関する問題について審理を強行した。これは国連海洋法条約の与えた権限に深刻に背き、国際法を荒々しく踏みにじり、現代の国際関係の基本的準則に衝撃を与えるものだ。平和と安定を重視し、国際公平・正義を愛する全ての国々と人々にとって、これは受け入れられないものだ。
中国政府は一貫して交渉と協議による争いの解決を堅持し、南中国海における関係国の行動宣言の全面的で完全な実施を堅持し、国際法の基礎を欠くいわゆる仲裁裁判所による権限拡大と越権に反対している。早くもいわゆる仲裁の結果が出る前から、中国の立場と主張に多くの国々は賛同していた。4月初め、スリランカのウィクラマシンハ首相は訪中時、中国との共同声明で中国側の立場を支持した。4月18日、中国の王毅外交部長(外相)とロシアのラブロフ外相、インドのスワラージ外相は共同声明で、全ての争いを当事国の交渉と協議によって解決し、国連海洋法条約と南中国海における関係国の行動宣言を全面的に遵守するよう呼びかけた。その後数カ月で、南中国海問題の扱いと解決における中国側の立場を支持する国は増えた。多くの国が物事の是非曲直に基づき、国際公平・正義の旗の下に無形の「正義の同盟」を構成し、国際的な法の支配を守るために立ち上がり、声を上げた。これまでに70以上の国と国際・地域組織が声明を発表し、中国の立場への理解と支持を表明した。また、世界各地の多くのシンクタンクの学者が、政治的偏見を捨て、法律、歴史など学術レベルから中国の立場に次々に賛同を表明した。米国、英国、オーストラリア、ドイツなど西側諸国の専門家も少なくない。
米国を始めとする一部の国は世論による覇権で中国に対する世論による「包囲攻撃」を企てているが、中国には「自分が正しければ、他人の中傷など恐れるに足りない」との言葉がある。中国の立場は国際正義を代表しており、中国を支持する正義の声は国際社会の主旋律であり、数人のたわごとによって変えられるものではない。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月18日
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