期限構造の最適化が進む
対外債務が安全ラインにあるかは、構造にかかっている。統計によると、近年、中国の短期対外債務が占める割合は低下し続けており、今年3月末の時点でその残高は15年末に比べて8%減となった。また、短期対外債務も、ピーク時に比べて16ポイント低下した。その他、中長期の対外債務が占める割合も13年末の22%から、16年3月末には38%に上昇し、対外債務の期限構造が明らかに改善している。
郭司長は、「全体的に見ると、短期対外債務が占める割合が依然として高いが、その5割は貿易と関係のあるクレジットであり、ほぼ実際の商品の取引によって生じるもので、対外決済の多くの背景には貨物貿易があるため、ほとんどが実際の資金の借り入れではない。また、基本的に利子はないため、相応の対外債務の返済リスクも決して高くない」との見方を示している。
対外債務と経済は互いに一層の促進
会計学上、「貸借対照表」は、重要な財務データを示し、企業の負債と所有する資産の状況が一目瞭然となる。企業の経営状態が悪ければ、資産が少なく、負債の割合が上昇する。専門家は、「中国の海外からの借金は、負債危機に陥っている一部の国のように消費や福祉の支出に使うのではなく、生産分野に使われている。そのため、中国の対外債務と中国の経済は今後も互いに一層促進する」との見方を示している。
張氏は、「対外債務はある意味、外国の投資家の投資と同じで、海外資本が中国経済に参入しているということ。単に前者は債務関係にあり、後者は株式の関係であるだけ。どちらも、一国の経済を広い範囲で、自分の利益のためにうまく利用しているというのが本質だ。端的に言うと、誰かがお金を貸してくれるということは、貸す相手の未来に期待しているということであり、少なくとも、お金を返してくれないのではなどとは心配しない」と説明した。
中国経済が楽観視されるもうひとつの例は、国際通貨基金(IMF)が今年の中国経済の成長予測を6.5%から6.6%に上方修正したことだ。IMFの中国研究部主管ジェイムズ・ダニエル氏は、「中国は外部リバランス、内部リバランス、環境リバランス、収入分配リバランスなどの面で良い進展を見せている。中国経済の成長速度は目を見張るものがあり、中国の政策決定者が積極的に改革を推進している成果」と評価している。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年8月29日
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