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人民網日本語版>>経済

日本海運大手3社が事業統合 市場の低迷受け

人民網日本語版 2016年11月10日08:59

日本の3大海運会社とされる商船三井、日本郵船、川崎汽船がこのほど、定期コンテナ船事業を統合すると発表した。海運市場の低迷と同業他社との激しい競争に対応するためという。3社は約3千億円を投じて来年7月に新会社を設立する予定で、輸送能力は世界市場でシェア7%の6位に浮上し、売上高は2兆円を超えることが予想される。

このたびの事業統合の原因は各社の損失だ。発表されたばかりの2016年半期業績報告によると、3社の主業務はいずれも赤字で、16年度の利益予想は損失となり、損失額は約3300億円に上るとみられる。各社の売上高の3~5割を占めるコンテナ事業が主な損失源で、16年度第2四半期(7-9月)の損失額は商船三井が440億円、川崎汽船が360億円、日本郵船が170億円に上る見込みだ。

08年に国際金融危機が発生すると、グローバル貿易の成長ペースが鈍化し、海運市場も縮小を余儀なくされた。世界貿易機関(WTO)が発表したグローバル貿易の成長に関する報告書によると、08年から15年までの世界の国際貿易の年平均成長率は約3.1%で、金融危機発生までの10年間の6.7%の半分にも達していない。過去1年間のグローバル貿易成長率は1.2%だった。

こうした影響により、一連の製造業大国が輸出や貿易の構造をモデル転換させたりバージョンアップしたりして、輸出加工モデルを中心とする中間財貿易の割合が低下した。日本をはじめとする先進国では輸出コストと為替コストが低下し、これまで新興市場国にあった製造業の一部が各国国内に回帰するようになった。こうしたことがいずれも海運ニーズの減少につながった。これと同時に、コンテナ船の運賃は低迷が続き、多くの船舶が生産能力の過剰やグローバル経済の成長率鈍化といった問題を受けて休眠状態に陥っている。最近は韓国トップの海運会社・韓進海運が経営破綻して倒産し、海運業界の苦境を改めて浮かび上がらせた。

世界的な船舶の供給過剰により業界の大規模な再編が促されている。世界の海運大手はここ2年ほどの間に国境を越えた合併や業界内の再編を相次いで行い、支出の大幅な削減を進めてきた。フランスのCMA CGMグループがシンガポールのアメリカンプレジデントラインズを買収し、中国遠洋と中国海運が合併を宣言し、ドイツのハパックロイドは現在、クウェートのユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニーと合併交渉を進めている。

川崎汽船の村上英三社長は、「ここ数年は欧州を中心とした合併買収(M&A)を通じて、寡占状態が徐々に形成され、これまでのように小規模な協力を行っても競争力を維持することが難しくなった」と指摘する。日本紙「日本経済新聞」は、「統合により世界シェアは約7%に高まるが、欧州大手の半分程度と規模はなお見劣りする……日本勢は定時、低燃費の運航技術で世界のライバルにひけを取らない。強みを利益に変えられるか、世界大手を巻き込むもう一手があるかを市場は注視する」との見方を示す。(編集KS)

「人民網日本語版」2016年11月10日

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