▽欧州のディーラーはより現実的
実はここ数年、海外自動車メーカーの日本での売上が目立って増加している。浦田さんがまとめたデータでは、2013年から16年にかけて、日本国内におけるEUからの輸入車の売り上げは5%増加して、2万5千台を超えた。12~16年にはメルセデスベンツの売り上げは60%増加し、BMWは23%増加した。これと鮮明な対比をなすのは米国からの輸入車で、売上が15%減少して2万台近くにとどまった。
欧州のディーラーが米国のディーラーより好調なのはなぜだろうか。東京湾エリアにオープンしたBMWのディーラーが答を与えてくれるかもしれない。このディーラーの店舗は正面がカフェになっている。車を見るだけでなく、テーブルに座って、オリジナルのコーヒーや菓子をゆったり味わうこともできる。巨大な陳列スペースに、自動車や自転車が整然と並び、隣の展示ホールには自動車部品とBMWの記念グッズが売られている。週末になると何かイベントをやっていて、招待された子どもたちがラジコンカーをサーキットで走らせたりしている。BMW日本法人のペーター・クロンシュナーブル最高経営責任者(CEO)は、「こうでもしないと、日本市場で成功するのはとても難しい」と話す。
クロンシュナーブルCEOによれば、3年前にBMWは日本市場に最も力を入れると決定し、5億8千万ユーロ(1ユーロは約132.1円)を投入してディーラーのネットワークのてこ入れをした。現在、BMWのディーラーを訪れると担当者がつき、「車の天才」もサポートする。この「天才」は顧客に自動車の特徴を伝えるのが役目だ。これまで販売担当者が商品をすすめる時には早口過ぎてわかりにくく、日本の消費者の好みをつかむことができなかった。BMWはプロセスの改善を試みており、従業員と顧客が一歩進んだ関係を築けるようにしたいとしている。たとえば自動車を購入した人に自動車を届けるため、「出荷スポット」を設置し、新車を購入した人のために引き渡しセレモニーを行ったりしている。
振り返れば、貿易障壁を恨んでばかりの米国企業は、こうした努力をまったくしてこなかったといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年11月14日
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