ここ数日、北京の観光スポット・頤和園の十七孔橋では夕方になると、橋の下の17個のアーチの中を夕日が照らし、遠くから見ると17個のライトが点灯して輝いているかのような絶景となっている。この絶景は毎年この時期に見られる風物詩となっており、「光のトンネル」と呼ばれている。それに伴い、絶景をカメラに収めようと十七孔橋の西側に集まった黒山の人だかりも「風物詩」となっている。今が「光のトンネル」を撮影する絶好の機会であるため、多くの写真愛好家が愛用のカメラを手に、橋の近くのベストポイントに競うように並んでいる。また、頤和園内にある十七孔橋をモチーフにしたゴミ箱の人気も高まり、多くの人がそれをカメラに収めている。北京青年報が報じた。
趙さん(男性)は、絶景が見える8時間前の午前8点過ぎに、カメラの三脚を十七孔橋の北西角に立てていた。長年の経験によると、そこが「光のトンネル」を撮影するためのベストポイントで、最高の角度という。
「午後4時になると太陽が西に落ち始め、夕日が橋のアーチの中に差し込む。そして、アーチ17個全てが赤く輝き、その時が写真を撮影する絶好のタイミングとなる」と趙さん。
頤和園のゴミ箱までもが人気に
しかし、「光のトンネル」を一目見ようとやって来た人全てが理想の撮影ポイントを見つけることができるわけではない。午後3時になると、十七孔橋の北西角にはすでに1000人以上が場所取りをしているからだ。
中には「遅刻」してしまうカメラマンもいる。予定より1時間遅れて来たという方さん(女性)は、大勢のカメラマンですでにあふれている光景を見て呆然としていた。そんな方さんは頤和園の中をウロウロしている最中にいいアイテムを見つけた。そのアイテムとは、上に十七孔橋の模型が付いたゴミ箱。カメラをそれに近付けてカメラの焦点距離と角度を調整すると、ミニ版の「光のトンネル」を撮影することができるのだ。
「光のトンネル」は設計者の知恵の賜物
古代皇室の庭園だった頤和園の中でも人気スポットとなっている十七孔橋は、1750年(乾隆15年)に建設され、幅8メートル、高さ7メートル、長さ150メートル。雄大で厳かな雰囲気を醸し出している。橋の下の真ん中のアーチが橋のどちら側から数えても「9」個目となるように17個のアーチがある。陽数の極である「9」は、封建制の皇帝が最も好きな縁起のいい数字だった。
この橋を建設する時、天文学・地理学の知識に基づき、冬至前後の午後の太陽高度が最も低くなる時に、夕日が橋の全てのアーチを照らし、アーチ17個が赤く輝くという「絶景」が浮かび上がるように設計された。これはまさに橋の設計者の「知恵の賜物」と言えるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年12月13日
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