国家統計局がこのほど発表した「2016年全国科学技術経費投入統計公報」によると、16年の中国の研究開発(R&D)投資は総額1兆5676億7千万元(1元は約17.2円)に達し、前年比10.6%増加し、増加率は前年を1.7ポイント上回り、過去最高を記録した。12月7日に発表された中国革新指数の評価結果をみると、16年の中国革新指数は181.2で、同5.7%上昇し、安定した上昇傾向をみせた。技術市場の取り引き契約額が初めて1兆元の大台を突破し、R&D投資の度合いは欧州連合(EU)の初期メンバーである15ヶ国の平均水準である2.08%を上回った。こうした一連のデータから、中国では革新が駆動する発展戦略の実施において著しい成果を上げ、革新型国家の建設が持続的に推進されているということが見てとれる。人民日報が伝えた。
同局社会科技・文化産業統計司の関暁静シニア・アクチュアリーは、「これは2012年以降にR&D投資の増加率が4年連続で低下した後の初めての上昇への転換であり、R&D投資が14年と15年の2年連続で1けたの上昇ペースにとどまった後の、10%を超える上昇ペースへの回帰でもある。ここ数年、中国のR&D投資の強度は一貫して安定した上昇傾向を示しており、先進国との差が年々縮まってきている。16年の度合いは2.11%に達し、前年比0.05ポイント上昇し、3年連続で2%を超えた」と説明している。
R&D投資が増加を続けるのと同時に、R&D投資の構造も最適化を続けている。16年には基礎研究の占める割合が前年の上昇傾向を引き継いで、5.2%に達し、過去約10年間で最高水準になった。ハイテク製造業のR&D投資は2915億7千万元で同11%増加し、製造業の平均水準を1.4ポイント上回り、ハイテク製造業の研究開発力が上昇を続けるのと同時に、中国経済の質の向上、効率の向上、モデル転換、バージョンアップに対して重要な支えとなり、牽引役となっている。また16年には社会全体のR&D投資における企業の寄与度が83.8%に達し、前年比12.7%上昇し、R&D投資の増加に対する企業の牽引力がさらに強まった。
中国の研究開発投資が増加を続けたのは、政府の指導と政策環境の持続的改善によるところが大きい。16年に国の財政予算における科学技術関連の支出は7760億7千万元に達し、前年比10.8%増加し、増加率は過去4年間で最高だった。科学技術支出が財政支出に占める割合は4.13%で、同0.15ポイント上昇し、11年以降の持続的低下の局面を転換した。社会全体のR&D投資を奨励する一連の政策が優れた効果を上げ、たとえば企業のR&D投資の税引き前控除政策を例に挙げると、16年にこの政策が適用された一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)は前年比20%増加し、適用された企業の法人税減税額は同8.9%増加した。また16年にR&Dに取り組んだ全国の一定規模以上の工業企業は同18.1%増加して増加率は同2.6ポイント上昇し、実行ベースR&D投資は同9.3%増加して増加率は同1.1ポイント上昇した。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年12月11日
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