韓国外務省の韓日慰安婦合意検証チームは27日、2015年12月28日の韓日両政府による韓日慰安婦合意は被害者の意見を十分に聴いておらず、非公開の部分があったとの調査結果を発表した。また、朴槿恵政権は慰安婦問題市民団体に合意の受け入れを説得することを日本側に約束していたという。調査結果は、韓国社会に強い抗議を引き起こした。
検証チームは今年7月31日に発足。調査報告は31ページに上る。報告は合意の非公開部分として▽日本側は韓国側に「性奴隷」との表現を使わないことを希望し、韓国側は「政府は『日本軍慰安婦被害者問題』という公的表現のみ用いる」と応えた▽日本側は在韓大使館前の慰安婦少女像の撤去問題を提起し、韓国側は関係団体と話し合い解決すると表明した▽韓国側は政府レベルでは第三国での慰安婦関連の像や碑の設置を支援しないと表明した――を挙げた。
報告は、韓国側は交渉初期から『慰安婦』問題を秘密事項と見なし、被害者を中心とする人権問題の解決基準を十分に体現しなかったと指摘した。また、韓国側が交渉過程で最初に「不可逆」との表現を持ち出したのは、日本による謝罪・おわびの「不可逆」を強調する狙いだったが、交渉過程で日本側の主張に傾き、慰安婦合意締結も双方が慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的な一致」にいたったことを意味するものになったとした。
検証チームは、慰安婦被害者が合意を受け入れない中、たとえ政府間で「最終的かつ不可逆的な」解決を宣言しても、争いは本当には解決していないと総括した。「このような歴史問題は短期の外交交渉または政治的妥協で解決するのは困難であり、長期的視点で、総合的な解決案を追求する必要がある」。
韓国の康京和外相は同日の記者会見で、政府として調査結果を真摯に受け止めると表明。「韓国政府は検証チームの調査報告に基づき慰安婦被害者、関係団体、専門家の意見を聴くとともに、韓日両国関係への影響を考慮し、慰安婦合意問題に関する立場を慎重に決める」とした。
文在寅大統領就任後、韓国側は「多くの韓国人は感情的に合意を受け入れがたい」として、韓日慰安婦合意への不満を繰り返し表明してきた。だが、検証チームの調査は合意に問題があったことは指摘したものの、合意の存廃には言及していない。韓国メディアは「慰安婦問題解決の鍵は日本の真摯な反省にある。日本の誤った行為に対する韓国前政権の迎合が、現在の合意の見直しや破棄を決して容易ではないものにした」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年12月28日
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