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陳凱歌監督「『空海―KU-KAI―』は中国文人画風の巻物を開くかのような映画」

人民網日本語版 2017年12月27日08:30

陳凱歌(チェン・カイコー)監督がメガホンをとる映画「空海―KU-KAI―美しき王妃の謎(中国語名:妖猫伝)」が22日に中国で封切られ、週末の興行収入が2億4千万元(約40億8千万円)に達し、2日連続で8千万元(約13億6千万円)を超えた。興行収入、座席占有率なども同時期に公開している新作映画のトップになっており、評価も高い。ミステリアスで緊張感あるストーリーや目まぐるしい展開であるだけでなく、役者らは「演技に迫力があり、とてもインパクトがある」と絶賛されている。陳監督は、「この映画は、中国の文人の画風の長い巻物が、時に一気に、時にゆっくり開かれるような雰囲気」と説明している。北京日報が報じた。

陳監督にとって、詩人の李白や皇妃・楊玉環は唐(618-907年)の時代を代表する人物。李白は唐の時代のオープンで自由なムードを表現し、楊玉環は唐の時代の「美」を伝えている。「空海―KU-KAI―」は、黄軒(ホアン・シュアン)が演じる詩人・白楽天(白居易)と染谷将太が演じる平安時代初期の僧・空海が、猫の化物と共に長安に訪れ、人々を脅かす謎の怪事件に迫るとともに、李白と楊玉環の魅力を味い知ることができる。

「空海―KU-KAI―」の原作である夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」は、日本人の視点から唐を表現している。陳監督は、「中国語の映画であるかぎり、中国人の観点からスタートしなければならない。だから、小説では脇役だった白居易を主人公にした」と説明した。

6年の歳月をかけて唐の城を再現させたことは、同作品製作において陳監督が最も誇らしげに語るエピソードだ。「映画人の一人として、『中国映画の発展の過程で、何を忘れてはならないか』、『ポップコーン・ムービーの代わりになるどんな作品を作ればいいのか』、『中国映画の進歩をどのように証明すればいいのか』をよく考える」と陳監督。「華麗な唐の文化とマッチングさせることで、新しい道を切り開くことができるかもしれない。6年かけて城を作るというのは、簡単に決められることではない。それに、殺風景であってはならず、多くの木々も必要。でも、唐の城を作らなければ、役者にどうやって演技をしてもらえばいいのか?グリーンバックの前で演じてもらうというわけにはいかないだろう。役者というのは作品の表現者であって、聳え立つ城、華麗な色彩を実際に見ることができれば、とてもうれしいもの。映画が完成し、僕もファンタジックな旅を終わった。僕の唐の夢が叶った」と達成感を語った。陳監督によると、同作品のうち、グリーンバックの前で撮影された部分がわずか3%で、残りは全て実際のロケーションで撮影が行われた。

同作品は3D版での製作は行われなかった。「製作会社は当初、料金を高く設定できるため、3Dの作品にすることを希望していた。でも、私とカメラマンの曹郁は、3Dにすれば、6年かけて作った唐の城や特殊効果、俳優の演技などに申し訳が立たないと思った。『空海―KU-KAI―』を中国文人画風の長い巻物にし、時に一気に、時にゆっくり開き、『中国の夢』とは一体何なのかを見る人に感じてもらいたかった。この考えは、最終的に製作会社にも理解してもらえ、3Dにはしないと決めた。見る人には、唐の時代の風格を、3D眼鏡を通して『見る』のではなく、自分の目を通して『感じて』もらいたい」と陳監督。

NHKの公式サイトは22日付けのニュースで、「『空海―KU-KAI―』は唐の時代の中国で活躍する空海を題材に、日本と中国双方の人気俳優が共演し製作された。中国の人気俳優に加え、日本からは空海役の染谷将太さんや阿部寛さん、それに松坂慶子さんらが出演している」と報じた。

中国では最近、日本の小説を原作とした映画や日本の人気役者が出演する映画が相次いで公開されており、中国人の日本に対する親近感が向上すると期待されている。「空海―KU-KAI―」は来年2月に日本でも公開される予定だ。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年12月27日

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