このほど中国人科学者が氷点下70度でも使用できるリチウム電池を開発した。将来的に地球の極寒地帯、さらには宇宙で使用できる可能性がある。新華社が伝えた。
米エネルギー学術誌に掲載されたこの研究内容によると、復旦大学の夏永姚氏のチームが開発した新型電池は、凝固点が低く、極端な低温条件下でも導電する酢酸エチルを電解液とし、2種の有機化合物を電極としている。陰極はPTPAn、陽極はPNTCDA。
研究者によると、従来のリチウム電池が使用している電極と異なり、この電極に使われた有機化合物は「はめ込み」を必要としない。つまりリチウムイオンを電極の分子マトリックスにはめ込む必要がなく、低温条件下ではめ込みが遅れるという現象を回避した。
夏氏は、「酢酸エチル電解液と有機高分子電極により、充電機能を備えた電池が氷点下70度という極端な低温条件下でも稼働できる」とした。
従来のリチウム電池は、氷点下20度になると最良コンディションの50%の性能しか発揮できず、氷点下40度となると12%まで低下していた。ロシアやカナダなどの極寒地帯では、気温が氷点下50度まで下がる。また宇宙の気温はさらに低く、氷点下157度となる。
夏氏は、「従来のリチウム電池の電極材料と比べると、新型電池の材料の貯蔵量は十分で、コストパフォーマンスにも優れ、環境に優しい。この材料の価格は、従来の材料の約3分の1になるだろう」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年3月2日
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