鹿児島県にある火山の新燃岳(霧島山)の活動が活発化したことにより、噴火後に大地震が発生するのではといったような様々な憶測が飛び交っている。この件に関して日本の地震専門家に取材を行った。
鹿児島大学の井村隆介准教授は火山研究の専門家でもあり、新燃岳が噴火した後、周辺のいくつかの地区で災害に関する調査や防災措置を策定している。井村准教授は、「今回、大量のマグマが地表に湧き出たが、流れるスピードはゆっくりだったため、現在の状況からみるかぎり、遠くの地域に危害が及ぶ可能性は低いとみられる」とした。
また、井村准教授は、「現在地表に出てきているマグマは止まっていると思われるが、このまま止まった状態だとしても、今のような爆発はガスがなくなり溶岩が冷えるまで6ヶ月ほど続く。さらに、新しいマグマが地下から上がってくると、もっと大きな噴火が起こる可能性があり、その際には麓の人たちも避難しなければならないかもしれない」と説明した。
新燃岳で前回大規模な噴火が発生したのは2011年で、その後、同年3月11日に東日本大震災が発生した。そのため、今回の噴火に対しても大きな注目が集まり、様々な憶測が飛び交っている。火山の噴火は大地震の予兆となりうるのだろうか?
これについて、井村准教授は、「鹿児島県の新燃岳は過去に何度も噴火したが、その際に必ずしも地震が起こったわけではない。そのため、科学的に地震と火山の関係を結びつけるのは難しいといえる」と指摘した。
火山周辺に暮らす住民は、普段から防災の意識や知識を備えており、火山の噴火は彼らにとってさほど珍しいことではないといえるだろう。しかし、火山の噴火によって生活にある程度の影響が及ぼされることは避けられない。(編集YK)
「人民網日本語版」2018年3月16日
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