中国老齢事業発展基金会などの機構が2013年に立ち上げた公益プロジェクト・中華遺嘱庫(遺言バンク)が21日に発表した「中華遺言バンク白書(2013-17)」によると、遺言書を作成する人が若年化しており、遺言書を作成しておきたいと願う、一人っ子の子供を持つ親が増加している。また、若者の離婚率が上昇しているのを背景に、高齢者の99.93%が、遺言書に相続人が相続する財産は個人財産で、その夫婦の共同財産ではないと明記することを望んでいる。中国新聞網が報じた。
中華遺嘱庫は13-17年の5年間、広州などで高齢者約8万人の遺言書作成をサポートしてきた。そして、遺言書を作成する高齢者の財産、心理状況などのデータを分析し、白書にまとめた。
統計によると、13-17年、中華遺嘱庫が遺言書作成のサポートをした高齢者の平均年齢は77.43歳から、72.09歳に下降した。遺言書を作成する人は年々若年化していると同時に、遺言書を作成する必要はないと考える人の割合も、5年で約53%縮小した。つまり、前もって遺言書を作成する人が増加しているということだ。
この点について、中華遺嘱庫広東支部の許愛芳主任は、社会において遺言書作成の意識が急速に高まっているためと分析している。また、中華遺嘱庫は、一定の身体的条件を満たす人にのみ、遺言書作成のサポートを提供しており、遺言書を作成したいものの、条件を満たさない高齢者もいるため、それらの要素が重なり、同機構を通して遺言書を作成する高齢者の平均年齢が下がっていると見られている。
統計によると、遺言書8万2177件のうち、3万9234件は、一人っ子の子供を持つ親が作成し、その数は全体の約5割を占めている。また、高齢者の99.93%が、遺言書で相続人が相続する財産は個人財産で、その夫婦の共同財産ではないと明記することを選んだ。
親の直系尊属が親の遺産を受け継ぐ可能性があるため、財産が他の人のものになってしまうことのほか、中華遺嘱庫管理委員会の陳凱会長は、若者の離婚率が上昇していることと財産の名義書き換えが難しいことが、一人っ子の子供を持つ親が遺言書を作成しておきたいという思いを強くさせていると分析する。社会が発展するにつれ、遺言書を作成しておくことで、トラブル防止につながるだけでなく、家庭の財産が損失を被るということも避けられることに気付く人が増加している。
一方で、一部の高齢者は遺言書を作成することで、逆にトラブルの原因になり、静かな余生を過ごせなくなることを心配している。中華遺嘱庫の統計によると、高齢者の33.41%が子供に隠して遺言書を作成しており、その割合も増加傾向にある。また、遺言書作成自体は隠していない高齢者のうち、33.4%が財産をどのように分配するかは隠しているとした。調査研究統計によると、遺言書を作成することを考え始めてから、実際に行動するまでに、ほとんどの高齢者は5年以上かかっており、21.2%は10年以上かかっていた。
陳会長によると、高齢者が亡くなった後に、相続人らの間で遺産をめぐるトラブルが起きた場合、中華遺嘱庫はその遺言書を基に解決を図り、解決できない場合は裁判所に問題を委ねるという。中華遺嘱庫は裁判所に証明書などを提供し、相続人が速やかにトラブルを解決できるようサポートする。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年3月23日
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