Uberの自動運転車がこのほど、米アリゾナ州テンピで歩行者に接触し死亡させる事故を起こした。自動運転車が起こした事故は初めてではないが、死亡事故は今回が世界初となった。証券日報が伝えた。
現在までに明らかになっている調査結果によると、当時この車は時速約61キロで走行していた。事故発生時は自動運転モードで車内の唯一の乗客でオペレーターのラファエル・ヴァスケス氏は減速の措置を講じていなかった。
この車のドライブレコーダーが捉えた映像を見ると、被害者はビニール袋をたくさん詰めた自転車を押しており、薄暗い場所から突然車道に姿を現している。テンピの警察当局は、「余りにも突然の出来事で、歩行者が急に車の前に姿を現している。ドライバーも衝突音を聞き、初めて人をはねたと気づいたようだ」としている。アリゾナ州テンピ警察局長は、「自動運転モードでも人による運転だったとしても、この事故を回避するのは困難だったと思う」との見方を示している。なぜなら被害者が道路を横断していた箇所は横断歩道ではなかったためだ。
縱目科技市場・戦略副総裁の陳超卓氏は、「この事故はまず、人為的ミスが引き起こした事故と言える。実験車にオペレーターが乗車している以上、常に人による操作が可能であり、法的にはドライバーとみなされる。オペレーターとUberには責任がある」と指摘した。
米国は自動運転技術の支援に長期にわたって力を注いでおり、カリフォルニア州は世界で初めて独自の自動運転車の法律を制定した州だ。アリゾナ州はそれよりも早く、オペレーターのいない路上テストを認めていた。政策のハードルが低いほか、アリゾナ州は一年を通じ日差しが良好で乾燥しており、雨や雪が降りにくい。そのため自動運転車のセンサーが故障する確率が低く、非常に理想的かつシンプルなジオフェンシング練習場となっている。
ところが今回の死亡事故は、国民と政府の同技術への信頼を打ち砕くことになるかもしれない。自動運転車の法律が見直される可能性もあり、一部の自動運転車企業及びプロジェクトに影響が及びそうだ。
陳氏は、「L3以上の領域では、環境認識率が99.99%に達しても不十分。1万分の1でミスの可能性があれば、都市部の道路で自動運転させることはできない。ジオフェンシングのない自動運転は、10年以内の実現は無理だろう。数年以内に実現される自動運転は、高速かつシンプルなシーン、もしくは低速エリアのシーンという、2種のジオフェンシングしか存在しない」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年3月21日
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