シンガポール首相府が発表した「2017年人口簡易報告」によると、シンガポールの総人口は2016年比で0.1%増加し、2003年以降の最低増加率を記録した。そのため、シンガポール政府は様々な結婚・育児奨励政策を実施している。また、今月には独身者を対象としたお見合いイベントへの参加を呼びかけ、さらには「デート費用は政府持ち」というキャッチフレーズまで打ち出しており、政府の結婚奨励に対する苦心が垣間見える。
シンガポールでは3月中旬から、1ヶ月半にわたる大規模なお見合い交流イベントを開いている。お見合いイベントのスタイルは様々で、グルメを堪能できるイベントやランニングやクルージングを楽しめるイベント、一緒に手作りを楽しむパーティーまである。そしてこうしたイベントの参加費用の半分は政府が負担している。
2016年のある調査によると、シンガポールでは男女の結婚年齢が過去30年間で3-4歳上がってきているとしており、アジアの中でも独身率が高い国の一つ。結婚しない人が増加している共通した原因としては、女性の教育レベルの大幅な向上、キャリアに対する不安、離婚率の上昇、都市生活のストレス、子供を持ちたくないなどが挙げられる。
お見合いイベント組織機関の総合アドバイザーである梁心怡氏は、「子供をもつことはとても程遠い望みになっていると言える。なぜなら生活水準がすでに向上していると感じている人は多く、一方で子育ては非常にコストの高いものとなっているからだ」とした。
試算データによると、2018年にはシンガポールの65歳以上の人口が全体に占める割合が初めて15歳以下の人口の割合と同じになるという。定年退職する人が増加し、労働人口が減少することで、最初に影響を受けるのがGDPや税収入、労働力などだ。これらのマイナスの影響を減らすため、シンガポール政府は様々な結婚奨励を行っており、それと同時に、政策の上でも結婚奨励を実施し、政府のコンドミニアムの購入申請を初めて行う人は妊娠しているか、もしくは16歳以下のシンガポール国籍の子供が1人以上いるという条件が求められる。
専門家は、結婚奨励政策だけでなく、男性が積極的に家事を手伝うべきだと呼びかけている。家庭の仕事を行うのは女性だけの責任ではないという考えが広がることで、出生率の向上につながるからだ。
シンガポール国立大学・社会科学院の家庭人口・研究センターの李唯軍主任は、「シンガポールは以前、子供を出産すると1000シンガポールドル(1シンガポールドルは約80.1円)を支給するという手当てがあった。現在では、第一子の出産による手当ては6000-8000シンガポールドルにまで上がった。政府は新生児向けに公共積立金保健口座を開設し、3000シンガポールドルの補助金をその口座に入れる。また、シンガポールでは、母親は4ヶ月の育児休暇を取得でき、データイムの育児センターや幼稚園も建設されている。これらのインフラ設備は、子供を持つ親たちが家庭と仕事を両立するためのサポートに繋がっている」と説明した。
シンガポール政府は育児の奨励を行うとともに、老後の保障制度のさらなる向上も行っており、終身学習計画を実行に移し、より多くの養老機関を建設し、定年退職の年齢を引き上げ、高齢者が社会で活躍し続けられる制度を整えている。(編集YK)
「人民網日本語版」2018年3月27日
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