◆「中国の古典書籍から得るものは非常に多い」
藤嶋氏は今年3月末に東京理科大学の学長を退任し、自分の好きなことにより多くの時間を費やすことができるようになったという。そして、「今やっている2つのことは、どれも中国と関連している。まずは専門的な研究で、光触媒の国際協力を推進すること、2つ目は科学教育活動で、多くの子供たちに理科を好きになってもらうことだ」と語る。藤嶋氏によると、1つ目については、教え子の江雷氏と協力し、毎年何度も訪中しているのだという。また先ごろ藤嶋氏は北京市から、中関村海外戦略科学者としても招聘されたばかりだ。
自然科学者ではあるが、藤嶋氏は中国の古典書籍を100冊以上も読んだことがあるという。藤嶋氏は、「中国の古典書籍から得るものは非常に多い」ということで、小学生の頃から「論語」といった中国古典を学び始めたが、当時はまだあまり中国文化を理解していなかったという。博士課程を修了後、科学研究に従事する中で、中国文化が非常に魅力的であることに突然気づいたという藤嶋氏は、先賢たちの数千年前の言葉は今日の科学研究に対しても、啓発の大きな意義を備えているとの見方を示している。
藤嶋氏は2016年に「科学者と中国古典 名言集」を出版した。藤嶋氏は、「孔子や韓非子など中国の先賢が数千年前に語った言葉は、現代の有名科学者の言葉と非常に似通っている。私はこれを少しずつ記録し、一冊の本にまとめ上げた。若い科学研究者がこの本を読み、知恵を汲み取ることを願う」と述べた。そして藤嶋氏は子供でも読めるよう、妻からの提案を受け昨年、「やさしい 科学者のことばと論語」を出版した。
藤嶋氏はインタビューの最後に、「中国文化の魅力は限りが無く、すべての中国人は自国の文化に自信を持つべきだ」と誠意を込めて語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年5月12日
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