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日本建築の遺伝子を探る 森美術館で「建築の日本展」

人民網日本語版 2018年08月29日09:10

日本建築は伝統の継承、東西文化の融合、省エネ・環境保護などの面で非常に高く評価されている。だが日本建築の特徴はつまるところ何かと問われれば、よくわからないというのが正直なところだ。日本の不動産大手・森ビル株式会社はこのほど日本建築学会、日本建築家協会、日本の5大建設会社などと共同で、展覧会「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」を開催中だ。会期は9月17日まで。雑誌「環球」が伝えた。

 ▽可能性としての木造

展覧会の会場は六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館。場内に足を踏み入れると、木組のスクリーンが出迎えてくれる。2015年のミラノ国際博覧会日本館のために制作されたインスタレーション「木組インフィニティ」のレプリカで、第1セクション「可能性としての木造」はここから始まる。

木組とは、釘や接着剤を使わず、木材同士をはめ込んでつなげ固定する技術。中国古代の建築で幅広く利用されたもので、日本でも中国由来であることは知られている。ただ日本では木や木造建築は信仰の対象になった。国土の70%が森林である日本には「木魂」(こだま)という言葉があり、字の通り樹木に宿る精霊を指す。

木組スクリーンの向こうには、有名な奈良の東大寺南大門の架橋模型がある。日本の有名建築家・安藤忠雄氏は以前、「東大寺を見た時の感動と驚きが建築の道に進んだ原点」と語った。模型をみると、南大門の軒を支えるのは挿肘木(さしひじき)を6段に組んだ六手先(むてさき)構造で、これを水平材の通肘木(とおしひじき)がつないでいる。柱は18本あり、端の数本は扇状に配置され、柱間からは支持材の中備(なかぞなえ)の遊離尾垂木(ゆうりおだるぎ)が伸び、軒の荷重を分散する。こうした木造の構造により、東大寺南門は鎌倉時代から800年もの間、数々の大きな地震を耐え抜き、今もなお堂々とした姿でそびえ立つ。

 このセクションには東大寺のほか、木造文化のもう1つの傑作といえる日光・東照宮の五重塔の模型も展示される。五重塔は「心柱(しんばしら)の耐震性」を利用した構造で相当の耐震性能を実現した。模型をみると、塔の中心に懸垂式の心柱があり、4層目から鉄鎖でつり下げられて、礎石の上に宙づりになっている(もともと木の心柱の最下部が礎石から約10センチメートルのところで宙に浮くようになっていた)。心柱は屋根を固定し、地震が起きると「振り子」になって、横揺れと縦揺れの振動をうまく逃がす役割を果たす。心柱による制震技術は日本一高い建築物・東京スカイツリーにも応用されている。


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