日本政府は28日、新版「防衛白書」を了承した。白書は引き続き日本周辺の安全保障環境は厳しさを増していると宣伝し、海洋問題を借りていわゆる「中国の脅威」を誇張している。安倍政権が年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」と軍拡加速のための雰囲気を作り、日本が名実ともに軍事大国となるための地ならしをする狙いがある。日本の市民団体「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は人民日報の取材に「現在日中関係は一層の改善と発展の重要な転機を迎えているのに、防衛白書は事実を逆さまにし、引き続き『中国の脅威』を意図的に誇張している。両国民の強い反対に遭うのは必至だ」と指摘した。
歴史的・現実的理由から、軍事・安保面の日本の動向をアジア近隣諸国と国際社会は高度に警戒している。570ページ近くのこの白書は「イージスアショア」など高価な武器の導入決定を含む安倍内閣の拡張的防衛政策の新たな動向を詳しく紹介している。安倍政権は年末に新たな「防衛計画の大綱」を策定し、南西地域の防衛、ミサイル防衛システム、情報・宇宙など各分野の防衛能力を強化する計画だ。白書は新たな大綱の描く防衛のビジョンは日本が周辺の厳しい安保環境に対処するためのニーズを満たすものであり、既存の安保政策の単なる延長ではないとした。
すでに緩和へ向かっている朝鮮半島情勢に対して、防衛白書は米朝首脳会談で朝鮮側が「非核化実現の意思を文書の形で明確に表明した」意義を肯定したものの、朝鮮が日本にとって「前例のない差し迫った脅威」であることを引き続き鼓吹することを忘れず、朝鮮の核及びミサイルの脅威に対する日本の認識に変更はないことを強調した。
防衛白書は朝鮮以外に「中国の脅威」も引き続き誇張し、中国の通常の軍事活動及び正当な国防建設についてとやかく言い、むやみに批判し、軍事的透明性などの問題を悪意をもって誇張し、中国海警船の釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域巡航など正当な行為を恣意的に歪曲し、中国が日本周辺での軍事活動を「一方的にエスカレートさせている」とした。
韓国外務省は28日の声明で、日本の防衛白書について、独島(日本名「竹島」)に対する主権を再び主張したとして強く抗議し、撤回を要求した。韓国国防省も日本の駐韓武官を呼び出し、直ちに内容を正すよう要求した。
中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は日本の防衛白書に関する質問に「白書が中国の正常な国防建設と軍事活動を非難し、中国側の正常な海洋活動に対してとやかく言うのは全く根拠が無く、極めて無責任でもある。日本側が自らの軍備拡充のために様々な口実を探し求めないことを望む。地域の平和・安定及び中日関係の大局の観点から、両国の相互信頼と安全の強化、地域の平和・安定維持に資する事をするべきだ」と表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年8月30日
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