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外国人が中国の小説に夢中になっているワケは? (2)

人民網日本語版 2018年10月30日10:18

グローバル化が進む現代におけるコンテンツ創作

武侠、玄幻、仙侠といった中国の要素に満ちた小説が、外国人の間でも人気となっている原因について張氏は、「実際には、テーマが一番重要なのではない。一番重要なのは、創作方法、作者の視野、観念、好みなどだ。世界中の若者の好みに大きな違いはなく、特にインターネット時代の今、情報が世界中に伝わり、コミュニケーションも非常に便利であるため、地域や文化の差がかなり縮まっている」との見方を示す。

ある出来事の情報を、北京の若者とニューヨークの若者がほぼ同時に見ることができ、距離が問題ではなくなったため、観念の差も縮まっている。張氏は、「中国人も米国・英国製作のドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』が好き。欧米の若者も中国の玄幻の小説が好き。中国人も海外の歴史が好きで、外国人も中国の歴史が好きだ。インターネット時代に成長してきた今の若者は上の世代の人々とは異なり、皆好みの本などが非常に似通っている。若者の多くはテレビをあまり見ず、ゲームをしたり、映画を見たりして育った。中国の若者が好きなものは、外国の若者も好きで、その逆のことも当然ありえる」との見方を示す。

観念や好みが同じであるという現象は、読む本の内容だけでなく、創作自体にも影響を与えている。張氏は、「若い創作者は、自身もインターネット上で成長しているため、読者と好みや趣味が同じで、その作品は読者の心をつかみやすい」と分析する。

技術力の向上で言語の壁が解消

中国では、若者が海外の映画や米国のドラマを見たりできるようにと、翻訳チームや字幕チームが活躍しているが、実際には海外にも翻訳チームが存在する。そして、たくさんの優れた人気翻訳者やボランティア発信者もおり、中国の小説が英語やフランス語など多くの言語に翻訳され、翻訳されるまで待つことができないという人は、自分で中国語を勉強して小説を読んでいる。

これまでは、文学の海外発信において「翻訳」が最大の「難関」の一つだった。特に、大量の伝統的な要素を含んでいる文学作品を正確に翻訳して原作のニュアンスを伝えるというのが難しい点だった。しかし、今は、翻訳が以前より簡単なことになっている。張氏は、「翻訳ソフトのレベルが向上しており、その精度も高くなっている。翻訳ソフトを使うだけで、本を読むことができることもある。また、大衆文学やネット文学は通俗文学で、内容は浅く、軽いため、翻訳の精度がそれほど高くなくても、雰囲気を楽しむことができればそれでいい」との見方を示す。

ある外国のネットユーザーも、「たくさん勉強しないと読んでも意味が分からない名作と比べると、大衆小説やネット小説のほうが理解しやすく、中国文化の魅力的な部分を名作と同じように感じることができる」と書き込んでいる。 (編集KN)

「人民網日本語版」2018年10月30日


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