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東野圭吾の代表作「秘密」のハードカバー版が中国で刊行

人民網日本語版 2017年12月07日08:41

日本のベストセラー作家・東野圭吾の代表作「秘密」の中国語ハードカバー版がこのほど刊行された。「秘密」は、第52回日本推理作家協会賞(長編部門)で推協賞を受賞し、日本語版の発行部数は200万部を超えている。そして、「白夜行」に次いで、日本の読者が選ぶ東野圭吾の人気作品2位になっている。新華網が報じた。

東野圭吾にとっても、初めて英語に翻訳され、初めて映画化された「秘密」は、特別な思い入れがある作品だ。今月3日に開催された「秘密」の中国語版刊行セレモニーでは、学者・止庵や脚本家・史航らが、同作品を読んだ感想を語った。

超ミステリアスな「秘密」では、ある事故が主人公・杉田平介の幸せだった生活を大きく変える。妻・直子と11歳の娘・藻奈美が乗ったスキーバスが崖から転落し、藻奈美を守ろうとした直子は死亡してしまい、しかし仮死状態になった娘・藻奈美の身体に、死んでしまった妻・直子の魂が宿っていたという展開で、平介を戸惑させる。その時から、奇妙な2人の生活が始まり、他の人からは普通の親子に見える二人だが、周囲には決してバレないように暮らす。

主人公はごく普通の一般人であるのに読者を魅了

「秘密」には天才探偵も、事件解明に力を注ぐ警察も、事件も、容疑者も登場しないが、読者をその世界に引き込み、共感を覚えさせる。東野圭吾は同作品で、普通の生活のなにげないことからストーリーを展開させ、その主人公もとても平凡な一般人に設定している。しかし、事故が主人公の生活を大きく変え、人生そのものが劇的に変化する。娘・藻奈美の身体に、死んでしまった妻・直子の魂が宿るという非現実的な出来事が軸となっているものの、東野が細やかな表現をしているため、読者をその世界へと引き込んでいく。そして、その人間味ある表現が共感を呼び、それは推理小説の範囲を超えるものだったため、大きな議論を呼んだ。

史航は、「『秘密』を読んだ時、2ページ読むごとに少しの痛みを感じた。誰も『秘密』で描かれているようなミステリアスな出来事に遭遇したことはないが、生きている中で誰もが痛みを感じることを経験するもの。東野圭吾のすごいところはそこで、小説の中に登場するごく普通の一般人が感じる心の痛みはミステリアスで、あまりに個性的、非現実のように見えるものの、実は私たちが普段感じている心の痛みと同じだ」と語った。

推理小説ではないのに推理小説の賞を受賞

東野圭吾は約30年の間に約90作品を書き、ここ10年、中国で2500万人の読者を抱えるようになっている。東野圭吾は、さまざまな作風の作品を手掛けており、巧みなテクニックを駆使した推理小説「悪意」や「容疑者Xの献身」、読者を温かい気持ちにさせる「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「新参者」、殺人事件を描く「白夜行」、「幻夜」などがある。

しかし、彼の作家としての人生は決して順風満帆ではなかった。1985年にデビュー作「放課後」を発表してから約10年間、東野圭吾はプロの作家として挫折を経験したが、おもしろいテーマの作品を書くという信念を貫いて、小説を書き続けた。「秘密」は1999年夏に日本推理作家協会賞を受賞し、日本語版の発行部数は200万冊を突破している。東野圭吾は「秘密」について、「一生懸命がんばった僕への、神様からのご褒美」と語っている。

「秘密」は、東野圭吾にとってもターニングポイントとなった作品だ。これが東野圭吾の出世作となり、売れ筋ランキングにランクインし、すぐに映画化された。また、初めて英語に翻訳されて西洋の世界へ進出し、いろんな国や地域のさまざまな芸術分野の人々に注目されるようになった。

止庵は以前、微博(ウェイボー)でおすすめの東野圭吾の作品トップ10を紹介したことがあるが、もちろん「秘密」もそこに入っていた。止庵は、「東野圭吾の作品の中で、温かい気持ちにも、複雑な気持ちにもなり、心を揺り動かされ、読んだ後も余韻がいつまでも続くのは、『秘密』しかない」と評価している。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年12月7日

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