人工知能(AI)がトレンドとなるにつれ、AI翻訳機がAIスピーカーに続いて前途有望なハードウェア市場となりそうだ。海外旅行中の「翻訳ニーズ」に目を付け、各大手テクノロジー企業は次々に翻訳機を発表している。ただ、翻訳機市場は今年に入って盛り上がりを見せているものの、スマホとは別個の、翻訳機単体が海外旅行市場で長期にわたってヒット商品となるかは未知数といえる。北京日報が報じた。
「翻訳」と「インターネット接続」の二刀流を実現する翻訳機
今年の国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休中、米国旅行に出かけた王琳さんは、旅行先でもインターネットを利用するために、旅行サイト・携程で「翻訳機」をレンタルした。「はじめは電話カードを買おうと思っていたけど、同行者とインターネットを一緒に使わなければならないことを考えると、スマホでは電池が持たないので、翻訳機にした」と説明し、それを利用してみると、「Wi-Fi接続ができる翻訳機で、インターネット接続もできたし、翻訳もしてくれた。ドラッグストアで薬を買う時に翻訳機を使うと、現地の人と本当に問題なくコミュニケーションが取れた」という。
携程のサイトを見てみると、Wi-Fi関連商品のうち、Wi-Fi翻訳機が新たな人気商品となっていた。例えば、米国旅行に行くときにWi-Fiレンタルを利用し、北京首都国際空港と上海浦東国際空港で、「百度共享Wi-Fi翻訳機」を受け取ったケースはそれぞれ、月間4690件、6636件となっており、ほとんどのWi-Fiレンタル件数を上回っていた。レンタル価格は1日当たり22.9元(約370円)からで、一般的なWi-Fiレンタルより安い価格設定となっている。
翻訳機は、ECプラットフォームでも人気の旅行グッズとなっている。蘇寧易購が発表した国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休中の旅行消費ビッグデータ報告によると、今年、翻訳機の販売数が前年同期比1107%増と、激増した。販売台数が最も多かった都市トップ3は北京、深セン、上海だ。
翻訳機の値段は差が非常に大きく、最も高いもので4000元(約6万4600円)以上、最も安いもので300元(約4800円)以下だ。機種によって機能も異なり、「百度共享Wi-Fi翻訳機」はWi-Fi機能搭載で、スイッチを入れるとインターネット回線に自動接続され、スマホでもそのネット回線に接続できる。「準児翻訳機」は、ディスプレイスクリーン搭載で、音声翻訳してくれると同時に、テキストがスクリーンに表示され、写真を撮ると、画像に含まれる外国語を翻訳してくれる機能も付いている。さらに、観光スポットのガイド内容も見ることができる。「小米翻訳機」は、外部のWi-Fiに接続する必要があるものの、値段が安い。
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