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日本銀行の黒田総裁「緩和拡大も選択肢の1つ」

人民網日本語版 2019年02月21日08:25

日本銀行(中央銀行)の黒田東彦総裁は19日、「円高の影響が経済運営や物価情勢に影響を及ぼし、必要であれば、緩和の規模を引き続き拡大することも選択肢の1つになる」と述べた。「経済参考報」が伝えた。

このところ円の対米ドルレートが上昇しており、市場には円高の進行を懸念する声が広がっている。黒田総裁はこれについて、「日銀はこうした変化に注目している。相場の変動は経済運営と物価の動きにマイナス影響を与える可能性がある」と述べた。

また黒田総裁は、「日銀には引き続き政策ツールがたくさんあり、長期金利や短期金利の目標の引き下げ、資産購入の引き続いての拡大などの方法も検討することになる」と述べた。

黒田総裁によると、「現在の超緩和政策は確かに金融機関の収益状況の悪化といったマイナス影響をもたらした。未来の緩和拡大においては政策のメリットとデメリットを総合的に検討することになる。目下の局面についてはすでに適切に対処している」という。

黒田総裁の説明によれば、日銀はさらなる緩和政策のメリットとデメリットを詳細に検討するといい、これは経済活性化政策のハードルが高くなることを暗に意味している。

黒田総裁のこうした発言の後、東京外国為替市場では円の対ドルレートが低下し、1ドル110.78円から110.79円の水準となった。

日銀はジレンマに陥っている。長年にわたり通貨を大量に発行してきたことが商業銀行の利益を損ない、長期緩和政策がもたらすリスク上昇への人々の懸念を増大させた。

さらにインフレの低迷で日銀の危機脱出のモデルや政策は欧米の中央銀行よりはるかに立ち後れたものになった。もし円が突然大幅に上昇して輸出が駆動する景気回復に影響するようなことになったとしても、日銀には事態に応じるための「弾薬」はそれほど残されていない。

グローバル経済鈍化への懸念が日銀の苦境を一層厳しいものにした。市場の関心は緩和政策をやめる可能性から離れており、特に世界の主要中央銀行の多くがここ数ヶ月間で緩和に賛成する姿勢に転じた。

黒田総裁は、「日銀は現在、上場信託投資(ETF)購入計画の終了や見直しをしておらず、ますます多くの市場関係者が日銀の大量購入は市場をねじ曲げると批判していてもだ」と述べた。

また黒田総裁は、「日銀は最も適切な方法で政策のメリットとデメリットのバランスを取るよう詳細に検討する」とした。

黒田総裁によれば、「日銀は引き続きETFを購入するとともに、市場の動きや金融機関、経済、物価の影響を考慮する」という。

日本の内閣府がこのほど発表した速報値の統計結果によると、2018年の国内総生産(GDP)は実質値で前年比0.7%増加となり、増加率は前年の1.9%を大幅に下回った。

アナリストの間では、「日本経済は7年連続で成長したが、成長の勢いにははっきりと衰えがみられる」との見方が一般的だ。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年2月21日

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