あなたは今日Vloggingしただろうか?このところ、若者の間でショート動画を使った交流がトレンドとなっているが、VlogはVideo blogの略語で、自分で作成した動画で自分の日常を記録し、ブログのように共有することを指す。中国青年報が報じた。
ショート動画と比べると、Vlogは動画の長さに制限はなく、数分でもよければ、1時間以上でもいい。Vlogの意義は、日常の一コマを記録することではなく、日常生活の中から物語を探し、断片化していても、つながりのある映像を通して、自分の趣味や感じていることなどを記録、共有することだ。
ある人気芸能人はVlogを通してしばしばその米国での留学生活を記録している。例えばスッピンのままベッドでゴロゴロしたり、チェロの練習をしたり、自炊したり、学校に行く途中で道に迷ったり、メイクアップしたり、床にごろ寝したり、ファッションウィークのショーを見に行ったりなど。どの投稿のクリック回数も100万回以上に達しており、フォロワーは、何回見ても飽きず、食べる時も、寝る前も見ているようだ。
面倒くさがりの人でも簡単に作れるショート動画と比べると、Vlogは一定のハードルがある。例えば、Vlogはその内容に、自分が絶対に表現したいと思っていることが込められているだけでなく、投稿者は大胆にも顔出ししたり、自分自身の声で、その生活や価値観、審美眼などを表現しなければならない。また一方でVlogは編集のセンスも必要となる。いくつかの動画を集めておいて、そこに、字幕や音楽などの要素を加えて、一つの完成度の高い動画作品として投稿しなければならない。
製作者の立場から見ると、Vlogの流行から、現在の若者は、単に新鮮味のあるもの、おもしろいものを追求するスタイルから、自分の考え方などを表現するスタイルへと少しずつ変化していることが分かる。日常生活における、人をハッとさせるような瞬間を投稿して、自分のテンションを上げて満足するスタイルと比べると、Vlogは、自分の経験していることを個性的に濃縮したり、ピックアップしたりするスタイルだ。若者たちは、自分の生活の軌跡や職場の状況、旅行などを意識的に総括し、それを分かりやすく整理、編集して投稿している。
例えば、ある「癒し系」Vlogを見ると、家事や園芸、ペットの世話関連の動画が投稿されており、その丁寧に撮影、編集された映像から、洗練された生活スタイル、気配りのできる投稿者の性格が伝わってくるほか、都市で生活する青年に啓発を与えてくれる。仕事以外の時間に、家で楽しめることはたくさんあることが分かり、参考に値する。
またVlogを通して、自分や他の人と向き合っている若者たちを見ることができる。若者らは自分が主役となり、カメラを自分に向けて撮影し、それを編集して投稿している。ある友人は、「海外旅行に行った時、Vlogの撮影のために、独りでしゃべりながら、歩いていると、ツアー旅行者たちの好奇の目と話題の的になったが、それを理由に恥ずかしくて撮影をやめるということはしなかった。その時、その時に感じていることを記録するという旅行はとても特別。その時に感じたことを、もう一度感じることはできないので、ちょっとぐらい恥ずかしい思いをしても、なんてことはない」と話していた。その友人は、海外旅行中、毎晩宿泊先で動画を編集してVlogを投稿していた。画像を何枚か並べる投稿よりも、そのような動画のほうがおもしろくて、価値があると感じる。
アプリを使えば、誰でも簡単に動画を編集して、世界に一つしかない自分だけの思い出を残すことができる。「解釈することのできない暮らし」を拒絶し、バラバラで大まかな内容の動画や画像に反感を覚え、さらには見る人に実際とは違う印象を与えるような動画や画像に抗議するようなスタイル、それがもしかしたらVlogの魅力なのかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年5月24日