錦は着てても心はボロボロ?若者を蝕む「偽装洗練ライフ」 (2)

人民網日本語版 2019年06月11日10:30

▽メンツがお金をしのぐという気まずさ

格調高い優雅なSNSの世界から抜け出ると、そこには厳しい現実の世界が目の前に広がっている。

ネット金融サービスの融360が行った消費調査によれば、中国の90後(1990年代生まれ)はクレジット市場で49.31%もの割合を占め、アジア地域の同年代で比較すると1位だという。おまけにそのうちの28.57%が消費者ローンを利用して、別の借金の返済に充てているという。

また現代の若者の多くは、人と群れることができないのは人とうまくいかないということであり、変な人という意識を抱いている。そこで「群れていることを偽装する」状態に陥り、そのために大金をはたく人が出てくる。

河南省から蘇州に出稼ぎに来た周超さん(26)は、「洗練されている同僚たちを見ると、自分もそういう風に偽装しなければ、仲間に入れてもらえなくなる。同僚には蘇州出身で、家が豊かという人が多い。頑張って自分を装わなければ、すぐに排除されて、惨めなことになる」と話す。

華東師範大学で心理学を教える陳黙教授(上海市心理協会基礎教育専業委員会事務局長)は、「『洗練を装う』ことはこの世代の若者の心の中にある孤独と関係している。今の若い世代は、特に90後は一人っ子が多く、生まれながらに孤独感を抱えてこの世界にやって来た人たちだ。そこでこの層は心の中の感情を満たすため、自分の思い通りにやってみたいと強く願う」と説明する。

▽洗練は高額消費では実現できない

暮らしの中に特別感があるのは悪いことではないが、現実とかけ離れた「洗練の偽装」のために、大変なことになり、さらには「隠れ貧困」に陥ったなら、得るものより失うものの方が大きい。

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