▽中国の2番目の貿易パートナーはASEAN
中国とASEANの貿易額は1兆6300億元で同9.4%増加した。このうちASEANへの輸出は9130億2千万元で同12.9%増加、ASEANからの輸入は7156億3千万元で同5.2%増加した。この伸び率もなかなかのものだ。
▽中国の3番目の貿易パートナーは米国
中米貿易額は1兆4200億元で同9.6%減少した。このうち米国への輸出は1兆900億元で同3.2%減少、米国からの輸入は3352億7千万元で同25.7%減少した。貿易収支は7506億2千万元の黒字で、黒字額は11.9%拡大した。
▽中国の4番目の貿易パートナーは日本
中日貿易額は8469億元で同0.9%増加した。このうち日本への輸出は3893億4千万元で同3.8%増加し、日本からの輸入は4575億6千万元で同1.4%減少した。貿易収支は682億2千万元の赤字で、赤字額は23.3%縮小した。
以上の4大貿易パートナーとの輸出入の状況をみると、1番のEU、2番のASEAN、4番の日本との貿易額はいずれも増加しており、ただ3番の米国との貿易額が減少しただけだ。
おまけに中国はEU、ASEAN、日本などの主要市場との輸出入が増加しただけでなく、「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国との輸出入も高い伸び率を維持した。「一帯一路」沿線国との輸出入額は3兆4900億元で同9%増加し、輸出入全体の伸び率を4.9ポイント上回った。
こうしてみると、米国が貿易摩擦をエスカレートさせなければ、中米貿易も確実にパイをより大きくして、プラス成長を実現できたことがわかる。しかし貿易摩擦によるマイナス影響のため、中米貿易額は減少し、規模も縮小し、ここから貿易戦争にはまったく勝者がいないことがわかる。
それでは米国は独断専行して関税の大棒を振り回したことで、何かメリットを得たのだろうか。
1-5月の中国の対米輸出は3.2%減少し、米国からの輸入は25.7%減少し、貿易黒字は11.9%拡大した。この1組のデータからわかるのは、中国の対米輸出はそれほど大幅に減っていないが、米国の対中輸出は大幅に減少し、米国の対中貿易赤字は縮小しなかったどころか、拡大を続けたということだ。
米国が貿易摩擦をエスカレートさせる主な狙いは、貿易赤字の縮小だ。現在、この目的は達成できておらず、「追加関税を打ち出せばすぐに勝利を得られる」という考え方は、事実によって正しくないことが証明された。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月13日