オーストラリア・ニューカッスル大学の最新研究によると、プラスチック汚染はすでに人間の体内にまで侵入している。世界平均で1人が1週間に体内に取り込むマイクロプラスチックの量は約5グラムとなっており、これはクレジットカード1枚分のプラスチックに相当する。年間では1人あたり約250グラムのプラスチックを体内に取り込む計算となる。新華社が報じた。
マイクロプラスチックは、粒径5ミリメートル未満の細かく砕けたプラスチック粒子で、世界中の海洋や河川などに広範囲に存在している。マイクロプラスチック自体に含まれる有毒物質と水中で吸着する有毒物質は、食物連鎖によって累積し、最終的には人体に入り、人体の健康を脅かす可能性がある。
報告によると、世界平均で1人が1週間に飲用水を通じて人体に取り込むマイクロプラスチックは1796個、重量にすると約5グラム、年間では250グラムを上回る計算となる。
報告によると、人間がマイクロプラスチックを体内に取り込む最大の源は飲用水で、世界中の瓶入り水、水道水、地表水、地下水のすべてにマイクロプラスチックが含まれている。また食品の中でマイクロプラスチックの含有量が特に高いのは、甲殻類などのシーフードやビール、塩となっている。
プラスチック汚染状況は、各国によってまちまちだが、この汚染を免れている国はほぼ皆無。米国の水道水サンプルのうち94.4%にプラスチック繊維が含まれ、1リットルあたり平均9.6本のプラスチック繊維が含まれている。ヨーロッパのサンプル水の72.2%からもプラスチック繊維が認められ、1リットルあたり平均3.8本のプラスチック繊維が含まれていた。
報告によると、2000年以降、世界のプラスチック製品消費量は、2000年以前の消費量の総量に相当し、うち、3分の一のプラスチックは、最終的には自然環境の中に廃棄されている。
世界自然保護基金(WWF)事務局長のマルコ・ランベルティーニ(Marco Lambertini)は、「プラスチック汚染は、極めて差し迫った世界的な問題の一つであり、プラスチックは海洋や河川を汚染するだけではなく、海洋生物の命を脅かし、さらには全人類の体内にも侵入している。各国の政府・企業・消費者は、共同で行動に移すと同時に国際的な約款を制定し、根本からの対応策を講じてプラスチック汚染に立ち向かわなければならない」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月14日