中国語学習に関しては、「大学院で学び始めたころ、自分の中国語レベルが低すぎるのではないかと心配していた。特に、カザフスタンからの留学生仲間が中国語の成語をいくつも立て続けに使いこなし、タイ出身の留学生がやすやすと中国語の小説を読んでいるのを見た時、その思いを強くした。一方の私はというと、今も英語訛りがなかなか治らず、『熊猫(パンダ)』と発音すれば『胸毛』になってしまい、『読博(博士課程の修了)』と言いたくても『賭博』になってしまう始末。『優秀な中国語の先生になる』という自分の夢を実現するためには、人の何倍も努力するしかなかった」と告白。
〇「一生ここで住める気がする」
この2年間を振り返り、アイモベンさんは知らず知らずのうちに中国社会にすっかり溶け込んだようで、「長風公園にいるお年寄りと挨拶を交わす場合は、標準中国語の『您好、再見』から、今では上海方言の『侬好、再喂』に変わった。初めて人民公園で両親が子供の代わりに見合いしているのを目にした時、そして初めて論文を書いていると禿げるのではと思った時、私は一生ここで生活していける気がすると初めて心の底から感じた」とした。
「2年前、華東師範大学の全てが、私には未知の世界だった。だが、愛する母校に別れを告げる時がやってきた。中山北路の堂々とした正門から出発して、より多くの未知なるものとチャレンジに立ち向かっていく。同時に我々には責任もある。それは、中国で蓄積したストーリーを母国や自分の付き合いの場に持ち帰り、人々に中国の真の姿を理解してもらい、既存の凝り固まったイメージや偏見を取り除くことだ。これこそが、文化の使者である我々留学生が担うべき責任だ。広い度量でシェアする使者として、素晴らしい中国のストーリーを全世界に紹介していきたい」と、彼は締めくくった。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月14日