中国市場は、本当に小さすぎて気にかける価値もないのだろうか。
ほかの全てのプロスポーツリーグの運営と同様、NBAビジネスの本質は「ファン経済」だ。高いレベルの多層的な試合を運営して、影響力をもったスターを絶えず生み出し、観客に試合を見に来てもらい、テレビやインターネットで観戦してもらい、関連グッズを買ってもらって多額の収入を得る。
収入の構成をみると、NBAの収入の中核は放映権料、そして広告料、チケット収入、関連グッズの売り上げだ。
収入の中で一番多いのは放映権料収入だ。放送機関が支払う放映権料収入は、試合を見る人が多ければ多いほど高くなる。ボールスポーツファン3億人の基数を擁する中国市場が、NBAのビジネスにとってどれほどの価値をもつかは、言わずとも明らかだ。
実際、米国でNBAは4大プロスポーツリーグの1つに過ぎず、アメリカンフットボールのナショナルフットボールリーグ(NFL)、野球のメジャーリーグベースボール(MLB)に続く3番手だ。ただNBAは4大リーグの中で最も稼いでいるわけではないが、国際化された普及拡大路線で圧倒的に先行していることは確かだ。
中国において、NBAが最も強い影響力と集金力を備えたスポーツイベントであることは間違いない。過去30年間の発展を通じて、世界最大のバスケットのプロ組織として、NBAにとって中国市場は米国市場に次ぐ世界で2番目の市場になった。NBAの中国での歓迎のされ方と影響力は、米国でのそれをはるかに上回りさえする。
夢よもう一度 NBAの中国ビジネス計画に大きな打撃
NBAが毎年中国でどれくらい稼ぎ出しているか、今は正確なデータはないが、各方面の報道を総合して統計を取ると、放映権料、広告料、チケット収入、関連グッズ販売などの収益モデルにより、中国で毎年生み出される商業価値は100億元(1元は約15.2円)を上回り、さらに飛躍的なペースで増加していることがわかる。
新華社の報道によれば、NBAの2018年の中国での時価総額は40億ドルに上った。NBAの副コミッショナーのマーク・テイタム氏は昨年のNBA中国シーズン中にメディアに対し、「2008年にNBA中国が発足してから、毎年の収益は2けた増加を続けてきた」と明かした。
NBAが中国市場を開拓してきた30年間は、あふれんばかりの大きな収益を上げた30年間だったといえる。