マスク原料のメルトブロー不織布が急ピッチで生産拡大
マスクの供給不足が徐々に解消されているのは、生産能力の拡大によるところが大きい。国家発展改革委員会が3月2日に発表したデータによると、中国の一日あたりマスク能力と生産量は急速な増加を続け、どちらも1億枚を突破した。2月29日には、全国の日産能力が1億1千万枚に達して2月1日の5.2倍、日産量は1億1600万枚で同12倍になり、マスク需給のアンバランスを一層緩和することができた。
発展改革委はマスクメーカーの生産再開と生産目標達成を後押しするだけでなく、条件を満たした企業のマスク生産への転換を全力で支援した。現在、多くの企業が次々に業界の枠を越えてマスク生産に乗り出している。大まかな統計では、BYD、中国石化、富士康をはじめとする企業3千社以上が業界のカベを破って防疫物資の生産チームの仲間入りをしたという。調査会社の天眼査のまとめたデータをみると、こうした企業が「マスク、医療用防護服、消毒液、体温測定装置、医療機器」などを相次いで新たな業務範囲に加えたことがわかる。
しかし、現在のマスク市場は需給バランスを完全に回復したわけではなく、さらなる価格低下を期待する市民も多い。人材が職場に戻るにつれ、人手不足の局面が解消されはした。だが医療用マスクとN95のフィルター性能を確保する重要な原材料であるメルトブロー不織布はまだまだ不足しており、マスク生産能力の拡大を制約するボトルネックになっている。
原材料のボトルネックを解決するため、中国石化は北京燕山石化と江蘇儀徴化繊有限責任公司に急ピッチでメルトブロー不織布生産ラインを建設し、業界の枠を越えて今すぐに必要なメルトブロー不織布を生産する。ポリプロピレン繊維素材の生産に大いに力を入れると同時に、メルトブロー不織布生産ラインの建設も加速させている。
このほか、国家市場監督管理総局はこのほど浙江省、江蘇省など8省・市に緊急通知を出して、メルトブロー不織布価格の特定調査を行い、価格の安定を確保するよう要請した。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年3月13日