中国のゲームが海外市場で成功しているワケは? (2)

人民網日本語版 2021年02月01日14:20

「王者栄耀」は中国市場でも輝かしい記録を打ち立てたにもかかわらず、楊氏は、「海外進出の過程では、兜の緒を締めなおす気持ちで、足を地につけて、海外市場を理解し、そこにとけこむようにした」と振り返る。

「『AOV』が成功したのは、ジャンルのチョイスが正しく、そのジャンルの面では蓄積があったから。クライアントゲームの時代から、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)は世界で人気となっていた。それが、『AOV』が海外市場で成功するための、ユーザーの基礎となっていた」と楊氏。

その他、中国と海外市場では、ゲームをめぐる習慣や美的センスが異なることに関して、楊氏は、「『王者栄耀』と『AOV』では、リズム、美的スタイル、表現など数多くの調整や変更が実施されている。その過程で、さまざま国や地域に足を運んで、調査、研究を行い、海外のユーザーの習慣や好みを理解した」と説明する。

Sensor Towerの統計によると、中国のゲーム「原神」も世界の人気スマホゲームランキングの上位に入っている。「原神」は世界の150ヶ国・地域以上で同時リリースされ、中国語、英語、日本語、韓国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など13ヶ国語版がある。また、「App Store Best of 2020 ベストiPhoneゲーム」ユーザー投票部門優秀賞や「Google Play ベスト オブ 2020」ユーザー投票部門優秀賞、東京ゲームショウ特別企画「メディアアワード2020」ユーザー投票部門1位など、数々の賞を受賞している。

「原神」の海外市場における成功の道を振り返り、米哈游の劉偉総裁は、「文化的内容に富んだシーン、ストーリー、音楽などが、このゲームに文化的深みを与え、美的価値も高めた。ゲームデザインの過程で、当社はその文化的属性を意識的に増強した。例えば、中国国内の5A級(最高ランク)景勝地・張家界や桂林、黄竜などにインスピレーションを得て、江蘇省蘇州市にある歴史的な庭園、中国の伝統的な建築流派・徽派建築などの特徴と組み合わせ、ゲームのシーンをデザインした。さらに、ストーリーには、春節(旧正月)や元宵節(旧暦1月15日)などの中国伝統文化の要素を盛り込んだ」と説明する。

袁氏は、「ゲームは一種の美術作品であり、深く、そして長期にわたり、文化を発信する能力を備えている。これまでは、西洋のゲームが中国に進出し、中国の多くのプレイヤーが西洋の神話やファンタジーといった文化に興味を持ち、それを理解するようになった。一方、今後は、中国のゲームが同じように文化発信という使命を担い、さらに多くの海外のプレイヤーが中国の優秀な文化を深く理解するようになるだろう」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年2月1日  

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