フォーラム年次総会の来賓に無料でコーヒーを提供するカウンターの前に、長蛇の列ができた。バリスタは両手を使い、豆を取り、挽き、コーヒーを淹れ、アートを描き……一気に完成した。
ボアオ・アジアフォーラム2022年年次総会で、来賓は「ゼロカーボンコーヒー」を飲んだ後、思想的戦いとブレインストーミングを始めた。
コーヒーを受け取った来賓は、「なぜゼロカーボンコーヒーと呼ばれるのか」と聞くのを忘れなかった。
「農薬、化学肥料、農機を使わず、人の手で豆を選び、太陽光発電で焙煎する。包装材料はすべて生分解性材料を採用している……」。現場のスタッフである李暢健氏は煩わしさを厭わず、「このコーヒーの生産の全プロセスにカーボンフットプリントがある。ゼロカーボンでなければ市場に流通できない」と答えた。
1杯のゼロカーボンコーヒーが「グリーンな開催」の立会人になった。
ペーパーレスの出席、会場の省エネ・節水設備、新エネ採用のスマートコネクテッドカー、全生分解性の包装、ゴミ分別、炭素削減指標の可視化統計……。これらのグリーンな要素が重なり、出席者は「環境保護の世界」に足を踏み入れたようだ。
「本日の排出削減量は7310キログラム」「フォーラム年次総会の会期中、新エネ車だけでも炭素排出削減量が75トンにのぼる」。ボアオ・アジアフォーラム年次総会海南可視化指揮センターで22日午前9時頃、非常に目立つ大型ディスプレイに同日の炭素排出削減量などのデータが表示されていた。
同センターは専門的なデジタル化グリーン低炭素モジュールを設置。同デジタル化モジュールはハイテク企業から提供された「スマートエネルギーブレーン」プラットフォームを使い、デジタル化の手段により会議の各種グリーン・炭素削減指標の統計をとる。
今年の年次総会の開催前に、100万kWhの「グリーン電力」取引を行ったことで、ボアオ・アジアフォーラムの全会場が初めて100%環境保護電力保障を実現した。
海南省委外事活動委員会弁公室の関係責任者によると、気候変動問題が日増しに深刻化するのに伴い、ボアオ・アジアフォーラムはアジア及び世界のグリーンな発展への注目を一層強めている。フォーラム開催地としての海南省は、「グリーンな会議開催」に力を入れている。
国家エコ文明試験エリアとしての海南省は近年、グリーンで低炭素な発展の道を積極的に模索している。「グリーンな会議開催」はその発展成果の縮図だ。
海口江東新区管理局計画統括部の鞏玄遠副部長は、「グリーンで低炭素という理念がパークの開発・建設を指導している。土地の期限付き競売においては、炭素排出を一つの曲げられない基準としている。企業は落札後、炭素排出を含むギャンブル契約に署名しなければならない。こうすることで入居企業に低炭素、さらにはゼロカーボンの発展を促す」と述べた。
低炭素でグリーンな発展は、「1kWhの電力」から始まる。江東新区の計画によると、「ニアゼロ・エネルギー消費」のグリーン建築は、クリーンエネルギーによって得た電力で日常的な事務や照明などの基本的な電力消費の需要を賄うだけでなく、祝休日の電力消費が少ない期間に予備電力を送電網に送ることで収益を得る。新区は2030年に「カーボンニュートラル」を実現する。
海南エコロジカルソフトウェアパークの昨年の収入は2000億元(1元は約19.7円)近くで、電力を炭素排出量に換算すると、生産高1万元当たりの炭素排出量は2キログラムしかなかった。
海口江東新区と海南エコロジカルソフトウェアパークは、海南自由貿易港建設の重点パークだ。このようなパークは現在11ヶ所ある。これらのパークでは、環境保護、省エネ、低炭素、ゼロエミッションは外資誘致の「ハードル」であり、人々の仕事と生活の「標準スペック」にもなる。
海南省は21年、国から示された炭素強度目標を達成しただけでなく、いち早く全国炭素市場第1回履行期間の排出枠申告作業も遂行した。海南省のクリーンエネルギー設備容量の割合は70%で、全国を23ポイント上回っている。海南省は今年第1四半期にクリーンエネルギーを100%利用し、二酸化炭素(CO2)排出を309万6000トン削減した。
CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成は、中国の厳粛な約束だ。中国は20年にこの目標を打ち出した後、経済・社会の全面的なグリーンモデル転換を推進している。グリーンで低炭素なライフスタイルが人々の心に浸透している。出席者は、「中国が行動によって取得した成果は衆目の一致するところだ」と評価した。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月29日