今年の夏、「アツい」のは天気だけでなく、次から次へと登場する消費の新トレンドも「アツい」視線を集めている。
欠けたり割れたりしているクッキーに、パンの耳、ハムやサーモンの切り落としまで、食品をカットして成型する過程で生じたさまざまな規格外の切り落としなどが、最近密かにECプラットフォームで人気のおやつ商品になっている。形は不格好だが、味は規格品と全く変わらず、価格は7-8割ほど安い。
「切り落とし」とは、一般的に食品製造のカットなどの工程で生じる端の部分などを指し、形が不揃いなため規格品として販売されることはないが、業者の中にはこれを商品として販売するところもあり、コストを抑えられるだけでなく、食品ロスもなくすことができる。
若者から見ると、「切り落とし」おやつは「節約の宝庫」で「お得感が満載」だ。ネットショッピングサイトを開くと、「量り売りなら無駄がない」、「おいしくて安い」といった業者の売り文句が目に入る。干し肉や牛の胃、ハムの切り落としから、パンの耳、欠けたり割れたりしているせんべいやプレッツェルまで、「おやつが私たちを虜に」しており、思いがけない「切り落とし」まで買うことができる。有名な芸能人やネットで人気のブロガーも次々とこのトレンドに便乗し、さまざまなレビューやおすすめ情報がこぞって「節約」を旗印に、若者に向かい節約しながら買い物をし、思い切りおやつを食べようと呼びかけている。
こうした「切り落とし」食品は実際どれほど人気があるのだろうか。データを見ると、今年第1四半期(1-3月)だけで、ECプラットフォームの中には売り上げが前年同期比1749.23%増の2千万元(約4億400万円)に達したところがあり、10万元(約200万円)を超えた企業までざらにある。
品物がよくて価格が安い、おいしくて手ごろな値段という商品の位置づけが、細かくそろばんをはじく「クールカール族」の節約しつつトレンドも大切にするライフスタイルと共鳴し、「切り落とし」食品は今や飛ぶ鳥を落とす勢いの好調なビジネスになった。
工場が「切り落とし」食品をパッケージして消費者に直接販売するのは、消費心理を正確につかんだマーケティング手法であるだけでなく、インターネット時代における需給の正確なマッチング、生産プロセスの最適化、資源の無駄のカットなどに向けた一種の試みと言える。
今の若者は、「切り落とし」おやつを追い求め、消費期限切れ間近の食品を好み、ビッグブランドへの迷信を捨てて適切な価格の商品を購入するという、細かくそろばんをはじくバトンを受け継ぎつつあるのだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年7月28日