北京高圧科学研究センターが17日に明らかにしたところによると、同センターの曾橋石研究員が率いる国際研究チームが、ダイヤモンドでつくるナノ与圧カプセルを合成した。物質の高圧状態を永久に保存できる。これにより、高圧状態物質は従来の圧力装置の束縛から脱却し、普通の材料のように常圧条件下で単独で存在できるようになった。こうして、高圧状態物質の基礎研究と幅広い応用の主な障害が取り除かれた。この成果は8月17日の「ネイチャー」に掲載された。科技日報が伝えた。
材料の合成において、研究チームは材料の高圧状態を硬いダイヤモンドでつくる複合材料の中に直接植え込み、封じ込めた。実証として、チームはナノボイドの多い「ガラス状炭素」とアルゴンガスを圧力装置内で約50万気圧まで加圧した後、高温(1800℃)によりガラス状炭素をダイヤモンドに変換した。サンプルを圧力装置から取り出すと、常温・常圧環境におけるダイヤモンドサンプルのナノキャビティ内には超高圧状態(22万気圧)のアルゴンが保存されていた。チームはこの全く新しいダイヤモンドに大量の高圧物質ナノ粒子が含まれる新しい複合材料を「ダイヤモンドナノ与圧カプセル」と名付けた。
曾氏によると、「ダイヤモンドナノ与圧カプセル」の概念は、気体、液体、固体の各種形態のターゲット材料に応用できるとともに、複数回の合成により大型高圧状態材料を作り、日常生活で実際に応用しやすくする。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月18日