「羲和号」の太陽探査の成果が発表、5つの世界初を達成

人民網日本語版 2022年08月31日14:03

「羲和号」による太陽探査の説明図。(画像提供は航天科技集団第八研究院)

中国初の太陽探査科学技術試験衛星「羲和号」の成果が8月30日、正式に発表された。今回の成果は太陽科学探査と新型衛星技術が中心で、5つの世界初を達成した。これは今後の太陽宇宙探査任務の展開及び中国の宇宙科学分野における国際的な影響力の強化などに対して重要な意義を持つ。人民網が伝えた。

羲和号の正式名称は「太陽Hα線光スペクトル探査・ダブル超プラットフォーム科学技術試験衛星」で、2021年10月14日に打ち上げられた。平均高度517キロメートルの太陽同期軌道を周回し、主要ペイロードは太陽Hα線イメージング分光器。中国初の太陽専属「カメラマン」として、前期の軌道テストと調整を経て、世界初の宇宙太陽Hα線光スペクトルスキャンイメージングを実現し、世界で初めて軌道上で太陽Hα線・Si I線・Fe I線の精密構造を取得した。

これらのスペクトル線の構造に基づき、高精度の太陽全面の彩層と光球のドップラー速度場を導き出すことができる。太陽の大気中で発生した活動が詳細に記録され、太陽活動の物理プロセスを研究できる。羲和号は現在、毎日予定の任務計画に基づき科学観測を展開している。すでに百回近くの太陽爆発活動を観測しており、関連する研究活動が行われているところだ。なお、羲和号の科学データは全世界に開放される。

太陽科学探査の成果の他に、羲和号は新型衛星技術試験で、世界で初めて主従協同非接触「ダブル超」(超高指向精度、超高安定度)衛星プラットフォーム技術の軌道上性能検証と工学応用、世界初の太陽宇宙Hα線イメージング分光器の軌道上応用、世界初の原子周波数識別速度計測ナビゲーションシステムの軌道上検証を実現した。

宇宙における衛星ペイロードの1回の微小振動は、イメージング効果の大きな変化をもたらす。「ダブル超」衛星プラットフォームは従来的な衛星プラットフォームによる微小振動の「測定と制御が困難」という技術的ネックを解消した。磁気浮上制御技術を採用し、プラットフォームとペイロードの物理的接触を完全に切り離したことにより、ペイロードのイメージングがプラットフォームの振動による影響を受けないように保証し、より安定的で正確なイメージングを実現した。これにより、中国の衛星プラットフォームの姿勢制御水準が1、2桁上がり、世界の先端レベルに達した。ダブル超プラットフォーム技術は将来的に、高分解能リモートセンシング、太陽立体探査、太陽系外惑星の発見などの次期宇宙任務で推進・拡大され、中国の宇宙技術の飛躍的な発展を推進する。

国家航天局はすでに関連機関を動員し、ラグランジュ点のL5点の太陽探査、太陽極軌道探査、太陽近接探査など一連の任務計画を打ち出している。太陽の全面的な立体探査を行い、太陽活動の起源と変化への認識をさらに深める。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年8月31日

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