中国、南中国海で深海原位置スペクトル実験室を構築

人民網日本語版 2022年12月07日15:02

中国科学院海洋研究所によると、同研究所の科学研究チームは世界初の深海マルチチャンネルラマン分光法プローブシステム(Multi-channel Raman insertion probes system, Multi-RiPs)の開発に成功した上、南中国海冷泉エリアで深海原位置スペクトル実験室の構築に成功した。中央テレビニュースが伝えた。

中国科学院海洋研究所の科学研究チームは数年の研究開発と試験により、世界初の深海マルチチャンネルラマン分光法プローブシステムを開発した。同システムはレーザーが出すスペクトルにより、メタンハイドレートの構造や構成など深海の極端な環境における物質の主な化学成分を探査することができる上、その関連する動的法則と潜在的な関連性を捕捉できる。これを踏まえた上で、同科学研究チームは南中国海海域で初の深海原位置スペクトル実験室を構築した。同実験室は無人で、地上の実験室を海底に運んだようなものだ。そして、深海の冷泉や熱水などのエリアで常態化運営し、長期的、連続的、複数ポイントの海底観測、データ収集、制御可能な実験を行える。深海の熱水や冷泉などの海洋生態と世界的な気候変動への影響の研究に用いられるとともに、命の起源が海にあるなどの科学的仮説の探究に利用できる。

中国科学院海洋研究所の張鑫研究員によると、この無人実験室システムは最大で水深4500メートルの海底の圧力に耐えられ、南中国海の大半の海域をカバーしている。将来的に深海の熱水エリアに設置し、深海の硫化物や鉱物を研究することができる。これらの資源は今後、戦略的金属資源になる可能性がある。同システムはこれらの物質の形成・変化プロセスとメカニズムと関連する原位置試験と研究を行える。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年12月7日

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