中国は経済発展が新たな歴史的段階に突入し、都市化プロセスの「ギアチェンジ」に直面している。「中国統計年鑑2022」と2022年の経済社会発展データを見てわかるのは、22年末時点で、中国の都市部常住人口は9億2071万人となり、21年末比で646万人の増加にとどまり、都市人口の増加が42年ぶりの低水準になったことだ。
その背後にはどんな原因があるのか。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により、一部の都市で出稼ぎに行っていた人がUターンし、農村部から新たに都市に向かう労働者も減少した。これまでに広西壮(チワン)族自治区、重慶市、甘粛省、青海省、江西省、貴州省の6省(区・市)が22年の人口データを発表しており、いずれも中西部のものだ。特筆されるのは、22年に全国で人口が85万人減少した中、この6省(区・市)はいずれも人口が増加したことだ。
厦門(アモイ)大学経済学部の丁長発准教授は、「昨年は沿海地域が感染症の影響を受け、人口が流出傾向にあった省(区・市)では一部の人がUターンした。将来は中西部地域で発展のチャンスがさらに増えて、こうした人々が地元にとどまって仕事を見つけることが可能になり、地元で就職すれば家族の世話もよりよくできるようになるだろう。その一方で、都市化プロセスそのものについて考えると、都市化率が上昇を続けるのにともなって、人口に占める都市人口の割合がすでに3分の2に近づいている。こうした状況の中で新たに増加した都市人口と都市化上昇幅が明らかに鈍化している」と分析した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年2月16日