25日に開催されたブレイキン・ゴールド・ワールド・シリーズ(GWS)in北九州で、中国の劉清漪選手(17歳、ダンサー名・Bgirl 671)は、黒と白のゆったりした衣装で登場。ポニーテールを揺らしながら、アクロバティックなダンスを披露し、ホームグラウンドでの戦いとなった福島あゆみ選手(AYUMI)と湯浅亜実選手(AMI)を抑えて、見事優勝した。表彰式では中国の国旗が高々と掲げられ、発足したばかりの中国のブレイキンナショナルチームは幸先の良いスタートを切った。新華網が報じた。
1月9日に正式に発足した中国のブレイキンナショナルチームのメンバーはすぐに、世界ランキングのポイントを得られる大会やアジア大会、WDSF世界ブレイキン選手権などに向けて、強化訓練を始めた。25日に開催されたGWS in北九州の女子決勝で、劉選手は、湯浅亜実選手と対戦。昨年10月22日に韓国ソウルで開催された世界ブレイキン選手権Bガール(女子)決勝と同じ対戦カードとなった。ただ今回、劉選手は前回に比べていくらかリラックスして落ち着いており、ディテールの素晴しいダンスを披露したほか、中国武術の挨拶にあたる「抱拳礼(右手を拳に、左手をパーのような形にして胸の前で合わせるポーズ)」を動きの中に取り入れ、インパクトたっぷりのパフォーマンスを披露した。
ナショナルチームの関係者によると、強化訓練では、中国武術、中国舞踊、近代舞踊、ヨガなどのコーチを招き、演技に新しい要素を取り入れることができるよう指導してもらったという。
劉選手は、「強化訓練の期間が比較的長かったので、主に中国の要素を取り入れた。その他には、身体能力やスタミナを強化した。今回の試合では、メンタル、コンディション、スタミナなどがどれも高まっていた」と振り返る。
2024年パリ五輪で初採用されるブレイキンに対する注目度が、各国で高まっているのを背景に、中国の選手が同大会に出場するためには高いハードルを越えなければならない。
世界ダンススポーツ連盟(WDSF)の発表によると、ブレイキンのパリ五輪出場枠は男女各16人で、それぞれ各国・地域2人までとなっている。中国の女子ナショナルチームには、輝かしい成績を収めている劉選手がいるものの、現時点では彼女一人だけがずば抜けている状態で、高い実力を誇る若手とベテランが揃う日本などの「猛攻」に圧倒されかねない。また、男子を見ても、世界トップレベルを誇る米国やカナダ、フランス、日本などと比べるとその実力差は歴然だ。
ナショナルチーム最年少の鄭子妍選手(15)は、今回が国際大会初出場となり、「いろんなことを学べた。トップ32止まりだったが、全ての試合を観戦することができて、今後のレベルアップにとても役に立った。世界トップレベルの選手の難度が高くても、流れるような動きを見て、今後の課題、目標、方向性が見えた」と少なからぬ収穫を得たことを明かした。劉選手も今後の練習の方向性について、「今後もダンスに中国の要素を取り入れたい。そして、スキルを強化し、さらに難度を上げるほか、身体能力もさらに高めたい」と語った。 (編集KN)
「人民網日本語版」2023年2月28日