中国の太陽光発電産業は2022年、輸出総額は前年比80.3%増の512億ドルを超え、国際市場での存在感が高まった。長年の事業展開を経て、中国の風力・太陽光発電産業の競争力が大幅に向上した。太陽光発電モジュール、風力発電機、ギアボックスなどの重要部品の世界市場シェアが70%に向上した。中国国内でも風力・太陽光発電は新規発電設備容量・新規発電量の主体になっており、22年の割合はそれぞれ78%と55%以上に達した。累計設備容量は7億kWを突破し、三峡ダム水力発電所30個分以上に相当する。人民日報が伝えた。
■旺盛な需要 風力・太陽光発電製品の生産が活況
陸上風力発電と比べると、洋上風力発電は平均利用時間がより長い上、土地を占有せず、電力消費量が多い地域に近いことから、未来の展開方向となっている。この市場の流れに対して、中材科技風電葉片股份有限公司は22年、沿海部の2ヶ所の工場で120メートル級ブレードの生産ラインを6本展開した。同社の荘琴霞会長は、「120メートル級ブレードの受風面積は標準的なサッカーコート7面分に相当する。フル稼働時の1回転の発電量は3人家族の約7日分にのぼる。この台風に強いブレードは需要が旺盛で、すでに24年まで注文が入っている。さらに一部の海外取引先が事業提携を模索し訪問している」と説明した。
閑散期も忙しい。太陽光発電企業もこれを実感している。陝西省咸陽市に位置する隆基緑能の敷地面積13.3ヘクタール以上のモジュール工場が生産に勤しんでいる。工場の責任者である祁冀氏は、「現在の計画中の生産量から見ると、今年の需要は昨年を2.5GW上回る見込みだ。生産能力の利用率も9割以上に達するだろう」と述べた。モジュールの旺盛な需要は、川上のシリコン半導体や太陽電池などの生産拡大を牽引している。モジュール工場は40キロメートル離れた場所にある。投資総額が452億元(1元は約19.7円)を超える太陽光発電生産拡大プロジェクトも間もなく着工する。年間でシリコン半導体を100GW、太陽電池を50GW生産する見込みだ。
中国太陽光発電業界協会が発表したデータによると、太陽光発電産業チェーンの各部分の生産量が22年、再び記録を更新した。多結晶シリコン、シリコン半導体、太陽電池、モジュールの生産量はいずれも前年比55%を上回った。業界の総生産高は同95%以上増の1兆4000億元を突破した。太陽光発電モジュールの生産量は16年連続で、新規設備容量は10年連続で世界一を維持した。
生産ラインが忙しく、受注が旺盛な裏には、風力・太陽光発電業界の発展への市場の期待によるものだ。今年に入り多くの重点プロジェクトの建設ペースが加速している。庫布斉(クブチ)砂漠では世界最大規模の砂漠地帯風力・太陽光発電拠点プロジェクトが施工中で、投資総額は800億元を超える。広東汕頭国際風力発電イノベーション港産業プロジェクトの契約が交わされ、着工した。規模は約300億元。福建漳浦六鰲洋上風力発電2期プロジェクトが着工し、初めて16MW以上の大容量洋上風力発電機を大量採用した。中国電力企業連合会が発表した報告書によると、23年末の中国全土の風力発電送電量は4億3000万kWに、太陽光発電送電量は4億9000万kWにのぼり、太陽光・風力発電の設備容量が初めて水力発電を上回る見通しだ。