「新聞大国」の日本は、いかに築かれたのか? (4)
中国メディアが見る日本 日本では、新聞の役割は新聞メディアというだけに限らない。第2次世界大戦後、日本の高度経済成長の都市生活において、新聞配達という職業はずっと重要な位置を占めてきた。農村から都市へと高等教育を求めてきた多くの若者が、学生時代にアルバイトとして新聞配達員を務めて学費を稼いだ。その中で、多くの人が大学を卒業し、都市に生活の根を下ろした。このような特殊な経歴が、恐らく50歳以上の日本人(特に農村から都市に出てきた人)の間で、新聞が今でも非常に重要な存在である要因の一つとなっている。
第2次世界大戦後、新聞配達員は地元地域として各種地域サービスを行うだけでなく、時には政府の機能が及ばない空白分野を埋めてきた。そして、これが日本人がなかなか新聞購読をやめない理由の一つとなった。
現在の日本の大学生の間では、新聞配達はすでに人気のアルバイトではない。実際、新聞配達の仕事に従事する人の数はこの20年間で75%も減少した。しかし、新聞販売店は自分たちの地位を安定させる新しい方法をずっと模索し続けている。例えば、日本の過疎化が進む農村では、高齢化が大きな問題となっている。販売店は高齢者に車椅子をレンタルするサービスを行ったり、定期的に一人で暮らす高齢者を訪問して、高齢者の生活状況を確認したり、少なくとも高齢者が健在かどうかを見守ったりなどしている。
非常に強大な販売ネットワークを有するほか、日本人の高い識字率も新聞の購読と分かちがたい関係がある。日本の教育は非常に普及している。小・中学校の教育費は無料で、高校教育を受ける人は総人口の96%、大学に進む人も総人口の36%を占めている。日本の新聞も子供の新聞に対する感情を育てることを非常に重視している。日本の小学校と中学校の大部分には専門に情報教育指導員を雇用し、小さい頃から学生に対するメディア啓蒙教育を行っている。また、学生たちに自分たちで学校行事の新聞を作成することを指導し、これによって学生は入学後に新聞と深い関わりを持つことになる。さらに日本の各主要新聞は新聞を中学の授業の教材に導入することで、新聞の影響を拡大させている。「産経新聞」のコラム「読者の声」では、1週間に1、2度小・中学生の文章を掲載している。そして、日本人は常々「日本には文盲はいない」と誇らしげに語っている。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年11月19日