108人の在中日本人「それでも中国に住む理由」を語る(3)
中国に魅せられて 108人の日本人は、中日関係が悪化する中でも中国に留まることを選択した。彼らの決意を固めさせたのは、中国人との交流における思いがけぬ感動だった。多くの中国人は「政治は政治」という冷静な態度を持っており、特殊な時期にも彼らに気配りを見せた。
◆中国人の人情に感動
今年150人の中国人学生と20人の日本人留学生が、笈川さんの特別クラスに参加し、学習と生活を共にした。笈川さんは「このように毎日共に暮らしてこそ、真の理解に達することができる。例えば誰かが元気がなければ、中国人は積極的に慰めようとする。日本人ならば、黙って一定の距離を置こうとする。日本人留学生は当初、中国人学生のいたわりや優しさが嘘だと思っていたが、実際にはそうではないことに徐々に気づいた。最後の別れの日になり、日本人留学生は別れがたく涙を流した」と話した。
笈川さんは、「私は中国人学生と日本人留学生の間に生まれた友情に感動した。多くの日本人留学生が特別クラスに参加することを願っている。私は1000人の日本人留学生と1000人の中国人学生が、学習と生活を共にすることを目標にしている」と述べた。
本書のほぼすべての筆者は、中国滞在を続ける理由について多くのページを費やして語っている。例えば笈川さんは、「子供が公共の場で泣くことは日本社会では許されなず、保護者も周囲に責められる。しかし中国では周りの人が子供をあやしてくれる。これは私が感動した点だ。中国は人情味にあふれ、暮らしでそれほど疲れを感じない」と語った。