総理のインド「初訪問」に中国社会は追いついていくべき (2)
中印間に外界から楔を打ち込まれうる隙が多くあるのは確かだ。まず中印は国民間の好感度が低く、小さな摩擦が極端に拡大しやすい。また、中印は同時に台頭しており、各々の影響力の高まりは、その一部が相互間の圧力に転化しうる。中印間の「補完性」も十分に顕著ではない。
インド社会は民族的自尊心が強いが、中国社会はインド人のこうした感情とどうしても折り合いをつけようとしない。多くの中国人はインドを理解することへの関心が不足しており、インドについての紹介は功利主義的で、語り手の政治的観点を裏付けるためにインドを単純に「最大の民主国家」または中国に遙かに及ばぬ「不衛生で乱雑な劣った国」と表現することがしばしばだ。中国メディアはインドに対して尊重が足りず、インドの台頭についての研究も真剣でない。
過去に中国がインドとの関係発展に費やした力は、米国に及ばなかったようだ。だがわれわれは、インドには中国と匹敵する国になる将来性があり、インドの対中姿勢が日本やフィリピンのようになれば、中国の周辺環境は大きく崩れ、安寧が得られなくなることも考えなければならない。
中印はまだ互いに多くの疑念を抱いている。例えば相手国が自国に対する「包囲」を計画、または参加しているのではないかと互いに疑念を抱いている。だが中印関係が現在、過去数十年間で最も良い時期にあるのも事実だ。これは事実上、双方が相手国への防備のための心づもりや資源を少なからず省き、各々の近代化により多くの力を注ぐ助けとなっている。中印間の雰囲気の改善に対して、両国政府は主たる責任を担わなければならない。両国政府は国境問題に対する抑制なき扇動的報道に取って代わるよう、双方のメディアが共に関心を抱き、注目する「良いこと」をより多く創出する必要がある。中印の戦略的協力パートナーシップの発展には決意だけでなく、両国政府の知恵も必要だ。メディアの無責任さに恨み言を言うだけでは役に立たない。政府はメディアの誘導に大きな成果を上げる必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年5月20日