国の総合的実力を低下させる「中国の弱点」 (2)
(3)中国には台湾問題があり、また、海外逃亡したダライ集団など民族分裂勢力も非常に活発で、国内の少数民族地域に影響を及ぼしている。こうした弱点は、中国の外交にとって深刻な足かせとなり、外部勢力にとっては中国との駆け引きの切り札となっている。このほか、中国と周辺国家との間で近年、海上摩擦が頻発しており、中国外交の不確定性が増している。
(4)近年、中国社会の価値観が分裂傾向にあり、社会の矛盾も増えている。どの大国もこうした状況を経験しているが、いずれも総合的実力を低下させるものだ。
膨大な力の規模と上述の弱点により、中国は大国の中でも特殊な国となっている。中国の力は大きいが、後顧の憂いも多い。国としては1つの問題ばかりに専念するわけにもいかず、全面的に配慮するしかない。例えば、中国は領土問題を徹底的に解決するという任務を負っているが、一方で経済を発展させ、13億人の物質的・精神的な生活水準を高めるという切迫した任務も抱えている。どちらがより重要かというのは簡単には言えない。中国はこうした選択にしばしば直面する。
一方、中国と違い、ロシアは資源が豊富で対外依存度も低く、ほぼ「自給自足」が可能な国だ。米ロの貿易額はわずか400億ドルであるのに対し、中米貿易額は5000億ドルに達する。
中国が台頭するには、戦略と革新に満ちたプロセスが必要だ。長所を生かし短所を補い、根拠に基づいた行動をとり、さらには短所を長所に変えていく必要がある。例えば中国市場は対外依存度が高いが、依存は双方向のものでもある。中国は貿易を拡大し、国に力をもたらす新たな源泉に転化させることができる。中国と世界は相互に依存しており、将来的には他国の中国に対する依存が、中国の他国に対する依存を上回る可能性もある。
中国の力の規模がますます拡大するにつれ、一部損失への対応力もますます強まる。このことは国家利益の防衛にむけた国の決意と能力につながり、他国も中国の利益を損なう行為をはばかるようになるだろう。この変化のプロセスは、時間はかかるが、はっきりとしたものだ。例えば釣魚島は1つの変化であり、黄岩島もそうだ。ダライ集団の世界における活動の余地も狭まりつつある。これからも様々な変化が生じることだろう。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年9月22日