三中全会の民生改革の10大注目点 (4)

■農民により多くの財産権を付与

　【注目点】農民に集団資産の株式保有、収益、抵当、担保、継承権を付与する。農家の住宅用地用益物権を保障し、農村住宅用地制度を改革、整備し、若干の試行地を選択して、農民住宅財産権の抵当、担保、譲渡を慎重かつ穏当に推し進め、農民の財産所得ルートの増加を探る。

　【解説】「社会主義法治国家の平等発展権の問題、市場経済を中核とする財産権問題を正確に把握して、都市・農村部の統合的計画を新たな時期に進めることを決定した」。中国社会科学院農村発展研究所マクロ室の党国英主任は「都市・農村共通の建設用地市場の構築によって、土地制度改革の1つの方向性がはっきりと示された」と述べた。

■基層医療衛生機関改革を深化

　【注目点】基層医療衛生機関の総合改革を深化し、ネットワーク化された都市・農村基層医療衛生サービス運用制度を整える。コミュニティの医師と住民のサービス契約関係を構築する。情報化を十分に活用して、優れた医療資源の縦方向の流動を促進する。

　【解説】「今回の改革は基層医療の強化を特に重視し、医療資源の不均衡という構造的弊害をはっきりと指摘した」。北京協和医学院の曽益新学長は「契約制度が確立されれば、医師は担当家庭の病歴、健康教育、慢性病予防、大病の早期発見などの責任を担うことになる。ホームドクターのような保健、診療が将来期待できる」と述べた。

■起業環境を築く

　【注目点】起業支援の優遇政策を整え、政府が起業へのインセンティブを与え、社会が起業を支持し、労働者が起業意欲を持つ新制度を構築する。大卒者に起業へのインセンティブを与える政策を実行し、国と省レベルの大卒者就職起業基金を統合する。

　【解説】人的資源社会保障部（人的資源社会保障省）労働科学研究所の鄭東亮所長は「『決定』は政府の責任を強調し、本人の能力ではなく親の金や権力がものを言うなど就職上の不公平な制度的障害を除去し、上への社会移動をより広い範囲で促すことに力を入れるものだ。大卒者は起業の新戦力であり、大学就職起業基金の統合によって統一的な支援システムが構築され、大卒者の就職・起業の助けになる」と述べた。

■労働教養制度を廃止

　【注目点】労働教養制度を廃止し、違法犯罪行為に対する懲罰と矯正の法律を完全なものにし、コミュニティ矯正制度を整える。

　【解説】「労働教養制度の廃止は民意に応じたもので、わが国の司法保障制度における重大な進歩だ」。中国政法大学の馬懐徳副学長は「労働教養制度を廃止し、法整備を強化することは、人権と司法への尊重だ。続いて教育矯正立法が改革のカギとなる」と述べた。（編集NAとLX）

　「人民網日本語版」2013年11月18日