中国人は濃い味が好き 原因はストレス (2)
「濃い味好き」の背後には、さまざまな病気・疾患が忍び寄っている。北京協和病院臨床栄養科の于康副主任は、「地域や季節にかかわりなく、辛いものを過度に摂取すると、食欲を過度に刺激してしまい、食べ過ぎ飲み過ぎ、しいては暴飲暴食につながる。そして、肥満や高血圧、高血糖症、高脂血症などになる」と警笛を鳴らす。
「小康」の調査では、現在、1980年代生まれの若者が患っている病気のうち、最も多かったのが精神疾患。次に婦人科系疾患、高脂血症と続いた。一方、1970年代生まれで最も多かったのは肥満。以下、高脂血症、精神疾患と続いた。1960年代生まれで最も多かったのは高脂血症。以下、心血管疾患、高血圧と続いた。1950年代生まれで最も多かったのは高血圧。以下、心血管疾患、心血管病と続いた。以上の病名からも分かるように、現在はストレスに満ちた社会になっている。
中国では古くから、脂っこい食品や味の濃い食品を食べ過ぎると、健康を害するとされてきた。明(1368-1644年)の時代の保健専門書「修齢要旨」には、「味の濃い食品は体に悪く、甘いものや味のうすい食品で満足できるのが良い。今日から摂生の努力を始め、味のうすいもので満足することで自信を身につけることができる」と書かれている。飲食の手引きをしているだけでなく、摂生することと人格を結びつけ、欲望を抑えるようにと説いている。さっぱりとした味ほど食材の味を楽しむことができ、平穏な気持ちを抱いていて初めて生活の細かなところまで気を配ることができる。そのようにして、良い心を培い、外界での刺激をもって心を養うことができるのだ。
濃い味の食品を食べることでストレスを発散している人は、病気を患う可能性を増加させているだけでなく、実際にはストレスを解消するどころか、逆に自身の感覚を鈍らせてしまい、さらに刺激の強いものを求めるようになってしまうなど、悪循環に陥ってしまう。北京師範大学の王芳・準教授(心理学)は、「ストレスを正しく発散させるためには、まず、ストレスの原因をはっきりさせなければならない。そして、効果的な方法を選択し、不健全な生活習慣を改善しなければならない。盲目的に自分の精神的エネルギーを消費してしまってはならない」と警笛を鳴らしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年2月22日