北京、不動産のパニック買いムード 一夜で900万円上昇も (3)
■一部でパニック買いの気配も
12月に入ると、北京では「住宅」をめぐる「ドラマ」がさらに盛り上がりを見せ、複数の地域で「取り合い」となっている。
同市住房(住宅)・城郷建設委員会の公式サイトのデータによると、11月、同市で新築住宅の契約成立件数は1万2988件と10月に比べて32.4%増加。前年同期比に至っては94%増とほぼ倍増している。一方、同月、中古住宅の契約成立件数も、14449件と、10月に比べて26.2%増加。前年同期比94.5%増と同じく倍増している。そして、12月に入ってもその勢いはとどまらず、1週目、中古住宅の契約成立件数は3476件だった。
不動産仲介業社「21世紀(センチュリー21)」の公式サイトを見ると、市内から数キロの場所に位置し、主要道路に面するため通常「騒音がうるさすぎる」と敬遠されがちなある家は、画像などの詳細もまだアップされないうちに、購入希望者が現れ、週末前の金曜日に手付金を払って、契約も済ませたという。
家を探しているというある男性は、「複数の仲介業者に電話番号を伝えてある」といい、「新しい物件があれば、どんなにおそい時間でも見に行くし、週末でなければ、仕事を休んででも行く。少しでも遅れたらいい物件はすぐになくなってしまう」と切実だ。
不動産大手・鏈家地産の市場研究部の張旭氏によると、「北京では8週連続で、契約成立件数3000件以上となっている。12月初めの状況を見ても、需要が高まっており、12月の契約成立件数も好調を維持する見込み」。
張氏は「来年になると、もっと高くなるのではないかという不安から、購入を焦る心理が確実に存在している。大規模なパニック買いとまではいかないが、買いの気配が強い」と指摘。
不動産購入の意向を示す人が増加するにつれ、北京の不動産価格は高騰。政府が投機・投資性の不動産購入を制限する政策を出す以前の価格を上回っている地域も一部出ている。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年12月14日