比の台湾漁船銃撃事件、漁民が中国大陸部の保護求める

　フィリピンの沿岸警備隊が台湾漁船を銃撃し、台湾漁民1人が死亡した事件が9日に発生して以来、台湾の漁民やメディアなど各界では、台湾当局に対して、中国大陸部と協力して漁業関係者を保護する方向に舵を切るよう求める声が高まっている。台湾の漁民の身体的、財産的安全を確保し、両地の中国人の合法的権益を保護する必要があるのだ。人民日報海外版が報じた。

　同事件で犠牲になった洪石成さんの遺族はこのほど、取材に対して、「台湾とフィリピン双方が排他的経済水域（ＥＥＺ）を主張する海域で、台湾の漁民が安全に漁業が行えるよう、中国大陸部に守ってほしい」と訴えた。そして、中国大陸部が軍艦や最新の戦闘機を派遣し、事件が起きた海域でパトロールを実施すれば、「フィリピンはこんな事件を起こせないはず」と語った。

　一方、銃撃された漁船が所属していた屏東県琉球郷の漁会の蔡宝興・総幹事も、「台湾と大陸部が協力して漁船を守ることには、多くの漁民が賛同している。実際はこれまで、台湾の漁船の中には、海賊が多いことで知られるマラッカ海峡を通る時、船に五星紅旗を掲げていた」と指摘。同地の漁民の一人も、「五星紅旗を掲げていると、フィリピンの公務船の妨害を受けなくなる。台湾と大陸部が協力して漁船を守ってくれるなら、漁民も安心して漁ができる」と訴えた。

　また、台湾の国民党前立法委員・邱毅氏も中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」で、「頭を下げて謝罪するよう、フィリピン政府に働きかけるための効果的な対策は、台湾と大陸部が協力して漁船を保護することしかない。両地の中国人は現在、重要な時期を迎えており、共同で敵に対抗するという立場を取り、フィリピンの横暴な態度に屈服してはならない」と指摘している。（編集KN）

　「人民網日本語版」2013年5月17日