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台湾、地下鉄の痴漢増加 女性専用車両設置を求める声

 台湾紙「聯合報」によると、台湾の地下鉄・台北捷運(たいぺいしょううん)で最近、痴漢が多発しており、2008年から今に至るまでの間に、車内や駅で93件発生。うち、犯人逮捕に至ったのは6割にも満たないという。ただ、地下鉄の駅構内には監視カメラが多数設置されているにもかかわらず犯人が捕まらない。そのため、市議員らは、対策や捜査体制に不備があるとして、女性専用車両の設置を求めている。中国新聞網が報じた。

 同地下鉄の運営会社の譚国光・総経理は、「世界の主要都市に設置されている女性専用車両の情況の把握を進め、早くて3カ月後には女性専用車両の設置ができるようにする」としている。一方、林奕華・市議員は、「同地下鉄では痴漢事件が毎月平均1.5件発生している。被害者はいずれも女性。方法は肩に手を回したり、腰に手を回したり、スカート内を盗撮したり、胸を揉んだり、お尻を触ったり、女性のお尻に下半身をこすりつけたりと大胆な行為が多い。現在、全車両に監視カメラを設置しているほか、プラットホームにも女性専用の待合室を設置しており、女性を保護している」と指摘した。

 それでも、痴漢の犯人逮捕に限りがある理由について、地下鉄警察隊の宋景武・隊長は、「背後から迫られるため、被害者も犯人の特徴があまり分からない上に、プラットホームには人が多く、監視カメラでは確認しきれないため」とし、捜査の限界を指摘している。

 そのため、譚総経理や宋隊長はいずれも、「痴漢事件解決のためには、被害者が犯人を容認するような態度を取らず、勇気を持って助けを求めること」と呼びかけている。

 地下鉄で女性が痴漢の被害に遭った場合、その場で糾弾するほか、プラットホームでは駅員に助けを求めることができる。車両内なら、インターホンを通して運転手に車両の位置を伝えれば、次の駅で駅の係員か警察が駆けつけてくれる。

 林市議員や闕枚莎議員はいずれも、「地下鉄の駅や車内では乗客同士の距離が近いため、痴漢行為も露骨になる。そのため、女性や女性・子供専用の車両を設置し、女性の選択肢を増加させるのが一番いい」と指摘している。

 ただ、譚総経理は、「可能性を探る」としながらも、「海外では女性専用車両を設置して以降、一般車両にいる女性が痴漢に遭う可能性がさらに高くなったという問題も発生している。また、市民が乗る車両を制限できる法令・規範が今のところない」と慎重な姿勢を見せている。(編集KN)

 「人民網日本語版」2013年5月23日

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