上海の既婚女性 晩産で少子高齢化に拍車
5月15日は国連の定める「国際家族デー」で、今年で20年目になる。今年の「国際家族デー」のテーマは、「社会の融合と世代間の団結の推進」だ。しかし仕事と家庭の圧力による出産・子育ての問題、少子高齢化に伴う家庭の高齢者扶養問題、人口流動に伴う他省出身家庭のさまざまな発展問題が、上海の家庭が直面する3つの主な問題となっている。東方網が伝えた。
仕事と家庭を両立するため、多くの女性が遅めの出産を選択しており、出産を拒む傾向も強く示されている。上海など5都市に住む、既婚・出産適齢期でありながら出産していない女性を対象とする調査によると、「子供を出産したくない」原因について、3.13%が「健康問題」を挙げた他、37.5%が「経済・住宅問題」を挙げ最多を占めた。出産を遅らせる理由については、「仕事・学習の需要」(42.98%)、「一休みしたい」(21.05%)、「経済・住宅問題」(19.30%)が中心となっている。
調査によると、上海に住む0−6歳の児童の養育について、「両親が責任を負う」は32.8%のみで、6割以上の家庭の子供は祖父母により養育されている。また児童の年齢の増加に伴い、祖父母の負担が増加する(1歳以下は55.8%、3−6歳は72.9%)。祖父母が子育てに参与することで、両親の仕事・家庭の二重圧力が軽減される。しかし長期的に見ると「祖父母による養育」や「両親による子育て時間の減少」の傾向により、親子が離れ離れになり、子供の成長および世代間のギャップの問題が生じる。
また少子高齢化による家庭の高齢者扶養問題についても無視できない。2012年の上海市で戸籍を持つ人の数は1426万9300人、家庭は524万世帯に達し、平均世帯人数は2.7人となった。人口の「少子化」、「高齢化」が同時に存在しており、上海市で戸籍を持つ人口のうち60歳以上の高齢者数は、2005年の時点では266万3700人(全体の19.58%)であったが、2012年には367万3200人(25.74%)に増加した。高齢化が加速するに伴い、高齢者扶養問題が表面化しつつある。
上海の場合、流動人口(現地の戸籍を持たない、他省出身者)の家庭が増加傾向にある。これはまた、流動人口の家庭の発展に、さまざまな問題をもたらしている。2012年のサンプリング調査によると、上海の流動人口による家庭が占める比率は、2010年の11.6%から2012年の19.7%に上昇した。
時間の推移に伴い、流動人口が上海で子育てをする比率が大幅に上昇している。15−49歳の出産適齢期の流動人口が、1990−2011年に出産した6678人の児童を調査したところ、1990年に生まれた児童のうち、上海で生まれた比率は2.3%のみだった。ところが2011年に生まれた児童のうち、上海で生まれた比率は58.8%に達した。
専門家は、「家庭を対象とする政策を制定する場合、問題のある家庭だけに配慮するのではなく、多くの家庭を幅広く配慮するべきだ」と提案した。社会の発展は現代家庭に対して、児童の素養を高め、出産・子育て・教育のサービス、出産・生命・生活の品質を全面的に高め、高齢者を尊敬する社会のムードを積極的に形成し、流動人口と上海の戸籍を持つ人々の文化的な融合を重視することを求めている。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月16日