北京洪水対策指揮部「昨年のような豪雨の可能性は低い」
昨年7月21日、北京が記録的な豪雨に見舞われ、死者37人を出したのを受け、中国工程院のメンバー王浩氏は過去に、「この時は同市南部の房山区で豪雨となった。しかし、同市は西部が高く、東部が低いという地形であるため、西部の西山地区で大雨となれば、雨水が市内に流れ込み、同等の規模の豪雨がもたらす災害は一層大きくなる。北京市内全体が沈む可能性があり、その結果は計り知れない」と警告している。一方、今年も増水の季節を目前に控え、同市洪水・干ばつ対策指揮部の潘安君・報道官(市水務局副局長)は取材に対して、「北京が再び昨年のような豪雨に襲われる可能性は低い」とした。京華時報が報じた。
以下は潘副局長の回答。
-----北京が再び昨年のような豪雨に襲われる可能性は?
北京市の都市規模は大きく、人口も多い。最も多い時で、人口は3000万人を超え、自動車(原動機付き自転車を含む)の保有量は500万台に達する。また、アーバンビレッジや都市と農村の接合部も多い。これらは全て、増水問題の隠れた危険となる。そのほか、同市の地質条件から、強い雨が局地的に、一定時間降りやすくなっている。長年の分析によると、毎年何度か、ゲリラ豪雨が降っている。例えば、昨年7月21日は、房山区では集中豪雨となった一方、北部の延慶県では全く雨が降っていなかった。当時、房山区では約10時間で数百ミリの雨が降り、最も多い所では500ミリ以上に達した。このように、短時間のうちに、強い雨が降るというのが同市の特徴となっている。そのため、現在の状況から見て、去年のような豪雨に襲われる確率は低いとは言えるが、その可能性が全くないとは言えない。
----ゲリラ豪雨対策の中うち、難題となっているのは何か?
ゲリラ豪雨が降ると、水が溜まりやすくなる。特に山地でゲリラ豪雨となると、土砂崩れや土石流などの災害が非常に発生しやすくなる。このような二次災害がもたらす危険は、雨そのものよりもはるかに大きい。そのため、我々は今年、洪水防止のため、専門指揮部を立ち上げ、さらに各組織が役割を果たすようにすることで、家屋や交通、地下パイプライン、救援物資など具体的な分野の対策を講じる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月3日