抗日戦争期の旧国民党兵士の福利厚生保障 民政部 (2)
□解説
●重大祝祭日関連イベントへの招待、旧兵士は「国家の栄誉」であることを示すもの
深セン市竜越慈善基金会の孫春竜・理事長は、「民生部の回答書で取り上げられた『条件を満たす旧兵士を養老・最低生活保障などの適用対象範囲に組み入れる』措置によって、多くの貧しい旧兵士が恩恵を得ることができる。一部の地方政府ではすでに、この種の措置の実施がスタートしている」と指摘。また、「回答書の中で特に注目すべきは、各地の党委員会・政府に対し、重大祝祭日に旧国民党兵士を関連イベントに招待するよう提案していることだ」と続けた。
孫会長は、「竜越慈善基金会の調査によると、これまで、抗日戦争期の旧国民党兵士に関心を寄せていたのは、統一戦線部門や政協部門などごく一部に限られていた。今回、各地の党委員会・政府が参与することとなったのは、重大な進歩であり、旧兵士にとっては、国家から名誉を与えられたことになる」とコメントした。
□調査
●身寄りの無い旧兵士、全体の12%
大まかな統計によると、黄埔軍校同学会の名簿には、現在約3千名の抗日戦争期旧兵士が登録されている。しかし、全国で抗日戦争に参加した旧兵士は2万人前後に達すると推定され、平均年齢は90歳を上回る。認定されていない旧兵士の多くは、交通の便が悪く、ボランティア活動に困難を究める辺鄙な土地に住んでいる。
竜越慈善基金会が湖南省で実施した調査報告によると、昨年末の時点で、湖南全省で新たに確認され、健在している旧兵士は約533人。このうち、都市部に住む旧兵士の月収は、1千元から2千元(約1万6千円から3万2千円)で、農村部に住む旧兵士の月収は55元から60元(約1千円)の高齢者補助金あるいは最低生活保障のみとなっている。
孫理事長は、「地域的分布を見ると、湖南・広東・江西・雲南・貴州・四川に暮らす旧兵士が比較的多い。歴史的な理由から、未婚のまま、あるいは離婚した旧兵士が多く、身寄りのない旧兵士は全体の12%に上る。また、経済的に貧しい人が多く、その多くは、辺鄙な農村に住んでいる」と指摘した。
孫理事長によると、黄埔軍事学校出身の旧兵士を除くと、軍隊に在籍していた証明や記録を持っていない旧兵士が大部分を占めるという。旧兵士の認定は主に、多くのボランティアが現地を訪れ、人々の証言を集めた上で行われている。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年7月4日